きちみや

こんにちは、髪ふさアドバイザーの吉宮です。

 

 

薄毛の悩みというと、AGAがパッと浮かびますが、それ以外にも「〇〇脱毛症」と呼ばれる薄毛・抜け毛の症状はいくつもあります。

 

 

今回は、病院での受診率が高く、治りにくいとされている脱毛症を3つ、採り上げてみました。

 

 

3つの内、2つは子どもも関係する脱毛症なので、子どもが苦手な大人の方でも、知識として頭の片隅に置いておきたいですね。

 

 

知っていれば、子どもの様子を見守ることぐらいはできますからね。

 

 

大人だけじゃない円形脱毛症





円形脱毛症というは、コイン型の脱毛が1個できるものから、複数できる多発型。

 

 

生え際が帯状に脱毛するもの(蛇行型)、髪の毛が全部抜け落ちるもの(全頭型)、全身の毛がすべて失われるもの(汎発型)などがあります。

 

 

特徴としては、脱毛している周辺の髪をつまむと、すっと抜けてしまい、組織が炎症を起こしているため、抜けた毛には毛根が見当たりません。

 

 

いったん無毛状態になっても、皮膚の下で細胞は生きているので、治療に何年かかっても、円形脱毛症が治ると、また毛は生えてきます。

 

 

円形脱毛症は、大人だけでなく、子ども、幼児にも発症する脱毛症で、子どものほうが重症化することが多いと言われています。

 

 

【円形脱毛症の種類】

 

  • 単発型(1個)
  • 多発型(2個以上)
  • 蛇行(だこう)型
  • 全頭型
  • 汎発(ばんぱつ)型

 

 

【原因】

 

 

円形脱毛症は、これまでは血流の悪さやストレスが原因とされてきましたが、現在では、自己免疫反応によって、毛包が炎症を起こすことで発症することがわかってきました。

 

 

自己免疫反応というのは、体の中に入ってきたウィルスや細菌をやっつけるために作られる抗体が、間違って自分自身(正常な組織)を攻撃してしまうことです。

 

 

これを自己免疫疾患と呼びます。

 

 

そして、遺伝も関係しています。

 

 

遺伝については微妙で、たしかに円形脱毛症になりやすい遺伝子というのがありますが、それを持っていなくても、突然、円形脱毛症を発症することもあります。

 

 

このことから、遺伝は「円形脱毛症になりやすい体質」と、とらえられています。

 

 

円形脱毛症が他人に伝染することはありません。

 

 

【円形脱毛症になりやすい遺伝子の例】

HLA(ヒト白血球抗原)

 

・HLA-DQB10301型

全頭型や汎発型のほとんどが、この型の遺伝子を持っているそうです。

 

・HLA-DRB1104型

治りにくい全頭型や汎発型は、この型の遺伝子と深いかかわりがあるとされています。

 

 

遺伝子の有無は血液検査で判明しますが、数万円と高額です。

 

 

両親や兄弟姉妹の中に円形脱毛症の方がいれば、発症しやすい遺伝子を持っていると考えればいいと思います。

 

 

サチコ

円形脱毛症の原因については、こちらの記事にもまとめています。

円形脱毛症って体質なの!?なりやすい人・なりにくい人の違い&原因とは

 

【発症のきっかけ(誘因)】

 

 

これまでストレスなどが原因で発症すると思われてきた円形脱毛症ですが、自己免疫疾患ということがわかりました。

 

 

ただ、ストレスなどが円形脱毛の発症に無関係なわけではなく、誘因ではあります。

 

 

つまりは、それがきっかけとなって円形脱毛を発症するということです。

 

 

誘因の一つに、インフルエンザがあります。

 

 

インフルエンザにかかると、侵入したウィルスを退治するためにインターフェロンというたんぱく質をたくさんつくり、免疫力を活性化させようとします(免疫反応)。

 

 

ところが、円形脱毛症になりやすい遺伝子があると、免疫反応だけでなく、自己免疫反応まで増強されてしまい、円形脱毛症を発症してしまう、ということです。

 

 

そのほかにも、出産、風邪(かぜ)、胃腸炎、ケガ、ストレス、疲労なども誘因となります。

 

 

【治療法】

 

 

治療法ですが、脱毛が1個だけの単発型なら、自然に治ります。

 

 

それ以外のタイプになると、早期の治療が改善の近道となります。

 

 

局所免疫療法やステロイド局所注射など、いくつかの治療方法がありますが気長に治療を続ける必要がありそうです。

 

 

円形脱毛症になりやすい体質の方は、食事やエクササイズで免疫力を高め、風邪を引きにくい体づくりを、日ごろから心がけておきましょう。

 

 

また、インフルエンザの予防注射を受けたり、疲れをためない、ストレス環境を早めに改善することも大切です。

 

円形脱毛症についてはこちらの記事もご参考にどうぞ。

自然に治るの!?円形脱毛症の種類と治療法

 

 

男性型脱毛症(AGA)

手鏡で薄毛部分を確認する男性



急に抜け毛が増え、おでこがハゲ上がってきたりすると、やはり矢も楯(たて)もたまらずに、病院にすがりたくなりますよね。

 

 

そういう意味で、男性型脱毛症(AGA)もクリニックの受診率の高い脱毛症です。

 

 

ただ、日本語では「脱毛症」と付けられていますが、円形脱毛症と違って病的なものではありません。

 

 

遺伝と男性ホルモンの作用が大きくかかわって抜け毛が始まり、

 

  • 若い男性の場合は、「若年性脱毛」
  • 中年以降の場合は、「壮年性脱毛」

 

これらの総称として、

男性型脱毛症(AGA)と呼んでいます。

 

 

このAGAの特徴としては、頭頂部と前頭部の髪が、だんだんと細く短くなっていく、髪のミニチュア化が起こることです。

 

 

世の中の薄毛男性の90%以上が、このAGAだと言われています。

 

 

【発症のメカニズム】

 

 

男性型脱毛症(AGA)は、頭頂部と全頭部の毛髪のみ、薄毛が進行します。

 

 

ハゲない部分(後頭部など)との違いは、ヘアサイクルの成長期の長さや髪の太さを決定する毛乳頭の違いにあります。

 

 

毛乳頭には5αリダクターゼという還元酵素があり、頭頂部と前頭部の毛乳頭には2型の5αリダクターゼが多く分布しています。

 

 

これが、血液といっしょにめぐってきた通常の男性ホルモン(テストステロン)をより強力なDHTに変化させ、

 

 

その後、このDHTが毛母細胞を攻撃し続けることで無毛となるまで、薄毛が進行します。

 

 

いったん無毛になって毛穴が完全に消失すると、現時点では、植毛以外で髪の再生はできません。

 

 

こういう働きから、DHTのことを「脱毛ホルモン」「悪玉ホルモン」などと呼ぶことも多いようです。

 

 

男性型脱毛症(AGA)の遺伝に関しては、こちらも「AGAになりやすい体質」ぐらいに考え、食事内容をふくめた生活習慣の改善で、進行を遅らせることは可能です。

 

 

【治療法】

 

 

治療に関しては、現在、効果的なAGA治療薬があります。

 

 

薄毛治療を扱う皮膚科クリニックにて処方されます。

 

 

また、美容皮膚科などでは、成長因子などを使った毛髪再生治療なども受けることができます。

 

 

ただし、男性型脱毛症(AGA)は生理現象の一つであって、病気ではないので、治療はすべて自費診療(健康保険が使えない)となります。

 

 

この男性型脱毛症(AGA)は進行性の脱毛症なので、効果的なAGA治療薬で進行を止めることはできますが、薬を飲むのを中断すると、また抜け毛が増え始めます。

 

 

女性の薄毛

 

女性の薄毛


サチコ

こちらは、受診率は高くありませんが、おまけです。

 

男性のAGA(男性型脱毛症)と似たメカニズムで頭頂部と前頭部の髪がミニチュア化し、地肌がめだつようになるのがFAGAです。

 

 

ただ、女性の薄毛はFAGA以外にも、慢性休止期脱毛や加齢変化などが重なりあって、薄毛症状が現れます。

 

 

これらをまとめて「びまん性脱毛症」と呼びます。

 

 

発症年齢は、ホルモンバランスの崩れが影響してくる40歳以降が多いですが、ストレス社会の現在、10代、20代にも薄毛に悩む女性は増えています。

 

 

女性の薄毛の特徴としては、頭部全体がまんべんなく薄毛になっていくというものです。

 

 

【治療法】

 

 

女性の薄毛には、AGAで有効なDHTを抑制する医薬品が使用できないのですが、生活習慣の見直しや、栄養補給などを積極的に行うことで、ある程度の改善が見られます。

 

 

また、クリニックでは、女性の薄毛治療に向いたお薬や、成長因子を使った発毛メソセラピーなどの治療法があります。

 

 

女性の薄毛に関しては、不明な点もまだ多いのですが、研究は急速に進んでいます。

 

 

女性の薄毛治療実績も、今はまだAGAにはおよびませんが、これから増えてくることは間違いありません。

 

 

サチコ

女性の薄毛は、栄養補助とメソセラピーの組み合わせが、相性がいいみたいです。

 

女性の薄毛の種類についてはこちらの記事もご参考にどうぞ

女性の薄毛の「種類と原因」

 

 

子どもに多い抜毛症(トリコチロマニア)





抜毛症(ばつもうしょう)は、円形脱毛症よりは少ないのですが、小学生から思春期の子どもに多く見られる「髪を引き抜く癖(くせ)」です。

 

 

抜毛癖(ばつもうへき)とも呼ばれ、髪の毛の一部を指でつまんで引き抜くことを繰り返します。

 

13歳の女の子



引き抜いた箇所(病巣)は不規則な形で正常な髪と切れ毛とが入り混じった状態となります。

 

 

引き抜く毛が特に抜けやすいわけではなく、まつ毛やまゆ毛を抜くこともあります。

 

 

爪噛みをしたり、抜いた毛を食べてしまうこともあります(ラプンツェル症候群)。

 

 

【発症の原因】

 

 

抜毛症の原因としては、家庭内の精神的ストレスが引き金になることが多いように見受けられます。

 

 

これは、何らかのストレスをまぎらわせるために無意識に行う場合もありますし、たとえ、本人が意識してはいても、それを自分から家族に打ち明けることはありません。

 

 

大きな理由もない、単なる癖という場合もありますが、健康な髪を引き抜くというのは、かなり痛みをともないます。

 

 

それを続けるということは、本人さえ気づいていない、子どもなりのストレスが存在するのかもしれません。

 

 

普段から問題のない、大人にとって「とてもいい子」がかかりやすい、ということです。

 

 

【ストレスの原因の可能性】

  • 学校などでの人間関係
  • 家庭環境
  • 母親との関係性

 

 

【対処法】

 

 

抜毛症に気づいた際には、子どもの身のまわりに髪の毛がたくさん落ちていないかを黙って確認します。

 

 

髪を抜く行為を、決して責め立てないでください。

ますますストレスをつのらせ、悪化してしまいます。

 

 

抜いているところや、今まさに髪にさわっているところを見つけても、声を荒立てず、そっと注意するにとどめてくださいね。

 

 

まずは皮膚科専門医に相談し、アドバイスを受け、対処してください。

 

 

なかなかやめられないような場合には、精神科専門医の指導やカウンセリング等が必要となります。

 

 

適切なケアができない場合、大人になっても抜毛癖が残る場合があります。

 

 

うまく自分の意志や不安を伝えられない子どものSOSとして、認知しておきたい症状です。

 

 

 

まとめ





平和なのに、かつてないほどのストレス社会といわれる日本で、薄毛・抜け毛の悩みで、クリニックを受診する患者が急増しているようです。

 

 

長く続く精神的ダメージは、自覚がなくても体調変化を招きます。

 

 

これは、大人も子どもも同じですね。

 

 

どんな理由であれ、抜け毛は体が発するSOSかもしれません。

 

 

生活環境をすぐさま最適化するのは難しいですが、食生活のバランスを整えたり、少しゆっくりと湯船につかって目を閉じて深呼吸するだけでも、キツキツな心のマッサージになると思います。