

こんにちは、髪ふさアドバイザーの吉宮です。
これまで、女性の薄毛治療は男性のおまけのようなもので、めざましく効果的なものはありませんでした。
既存の治療薬の中から、ちょっとずつ効果がありそうなものを組み合わせて対処するしかなく、男性のAGA治療薬のように劇的な効果は見込まれません。
ところが現在、女性の薄毛に対しても効果的な治療法が出そろいつつあります。
それが再生医療を応用したメソセラピー療法です。
今回は、女性の薄毛に即効性のあるメソセラピー療法について、
- どんな治療法なのか
- どういう仕組みなのか
- どういう効果が期待できるのか
- 施術費用の目安
こういった内容で、基礎的な部分をチェックしていきます。
薄毛治療で当たり前になりつつある発毛メソセラピー
現在の薄毛治療は男女共に、『お薬での治療』と『メソセラピー(毛髪再生治療)』の2種類が、メインとなっています。
メソセラピー療法のメリットは、全身をめぐる内服薬と違って、必要な部位へ直接成分を届けるため、副作用が少なく効率的ということと、即効性が期待できる、という点です。
即効性というのは、お薬だけの治療と比較して、ということです。
個人差はありますが、男女とも3か月~6か月ほどで変化が目に見えてわかるようになるということなので、かなり期待できますね。
そのため、AGA治療薬を使っている男性でも、治療効果を高める目的でメソセラピー療法を採り入れるケースが増えています。
クリニック側でも、もっとも効果的な治療コースとして、お薬+メソセラピー療法をセットして提供しています。
女性の薄毛治療にメソセラピーがおすすめなワケとは?
薄毛を改善したい女性には、メソセラピー療法が強い味方です。
というのも、女性の薄毛治療は男性に比べて歴史が浅く、研究にしてもようやくスタートラインに立ったという感じです。
近年、わかったことは、女性の薄毛は複数の要因によるもので、その一つは男性ホルモンの影響で起こるが、それは決して男性と同じではない、ということぐらいです。
AGA治療薬(内服薬)も、副作用の関係で男性用をそのまま使うことはできません。
また、使用しても男性ほど劇的な効果は得られていません。

それでも、ほかの薬よりも効果的なので、クリニックでは分量を調整して処方してくれます。
そんな薄毛女性にとって、薬剤をダイレクトに薄毛部位に注入できるメソセラピー療法は、副作用も起きにくく、体への負担が少ないため、比較的、安心で有効な治療手段となっています。
これまではミノキシジルを塗ったり、サプリやその他の医薬品のみで対応していたものが、メソセラピー療法が導入されて以来、女性にも本格的な薄毛治療が可能となりました。

薄毛でなくても、エイジングケアとして受けている女性はけっこういらっしゃいますね
メソセラピー(毛髪再生治療)の種類とは?
メソセラピーというのは、有効成分を医療器具を使って目的の部位に直接、届ける治療法のことを指します。
現在、薄毛治療に用いられるメソセラピー療法には3つのタイプがあります。
- 幹細胞を使用するタイプ
- 成長因子のみを使用するタイプ
- PRP療法(血小板を使う治療法)
幹細胞を使う治療法は、自分の細胞(自家細胞)を採取して、それを使用します。
一方、成長因子のみを使う方法は、幹細胞を培養(増やす)時に、培養液の中に大量に放出される生理活性物質(成長因子やサイトカイン)を使用します。
最後のPRP療法は、自分の血液から抽出した有効成分(成長因子など)の働きを利用した治療法です。
施術費用は、幹細胞の治療は高額で、成長因子のみの治療は比較的、低価格と言えます。
現在、メジャーなのは成長因子を使用するメソセラピー療法のほうです。
メソセラピー療法の効果と、薄毛に効く仕組みとは?
メソセラピー療法は、幹細胞の働きに着目した治療法です。
使用する幹細胞は、細胞の増殖と分化能力を持った多能性幹細胞です。

分化というのは、いわば別の細胞に変身できる能力ってことです。
たとえば、成長因子を調合した薬剤を薄毛部位に注入すると、弱っていた毛母細胞が少しずつ活性化し、同時に頭皮環境も改善していくことで、再び太く健康な髪が生み出されるようになります。
この治療を数回繰り返すことで、髪を生み出す細胞が力を取り戻し、短縮されていたヘアーサイクルも正常化していく、という仕組みです。
幹細胞そのものを注入する場合は、注入した幹細胞が成長因子を放出するため、比較的、長期間にわたって効果が期待できます。
成長因子の働き【ケラチン細胞増殖因子(KGF)】ってどう役立つの?
メソセラピー療法に使われる成長因子って、どんな働きがあるのでしょうか?
ここでは、代表的な成長因子の一つ、ケラチン細胞増殖因子(KGF)を見ていきます。
髪はケラチンでできていた!?
たとえば、人間の体の約16%はたんぱく質で構成されています。
毛髪、皮膚、爪、筋肉、心臓、脳、骨、血液などは、このたんぱく質を材料として、つくられています。
そして、髪の毛にいたっては、そのほとんどがケラチン(たんぱく質)でできています。

髪の毛の99%は、ケラチンなんです。
なので、たんぱく質であるケラチンが不足すると、髪のコシもハリも失われ、たちまち弱毛化してしまいます。
そうなると、ますます薄毛のリスクが高まります。
それを防ぐために、メソセラピー療法では「ケラチン細胞増殖因子(KGF)」を補填し、このケラチンを増やすことで薄毛を改善していこう、という考え方です。
「ケラチン細胞増殖因子(KGF)」は発毛をうながす重要な成長因子で、メソセラピー療法の薬剤には必ず含まれています。
成長因子の働きと効果
ケラチン細胞増殖因子(KGF)と、その他の成長因子が含まれた薬剤を薄毛部位に注入すると、ケラチンの生成が急速に促され、他の成長因子との相互作用で、周辺の毛母細胞が活性化します。
力を取り戻した毛母細胞から新たにつくりだされた髪は、従来のコシ・ハリのある健康的な太い髪へと成長を促します。

複数の成長因子が力を合わせて、髪の細胞再生に尽力するって感じですね
このように、幹細胞から生み出された生理活性物質(成長因子やサイトカイン)には、それぞれ特徴があり、中でも、とりわけ毛髪に深く関係する成分を活用したのが、メソセラピー療法です。
メソセラピー療法はクリニックによって効果に差あり?
メソセラピー(毛髪再生治療)は、それぞれのクリニックで呼び名が違います。
- 発毛メソセラピー
- ドクターズメソ
- 育毛メソセラピー
- スマートメソ
- その他いろいろ
どれも似ているように思えるのですが、どういう違いがあるのでしょうか?
特に成長因子のみを使った幹細胞上清液治療は、特徴が似ていて、わかりにくいですよね。
その場合、使用する薬剤に含まれる成分を比較してみてください。
成長因子の種類や数が同じなら、効果そのものに大差があるとは思えません。
ただ、クリニックによっては、薄毛の症状別にその他の有効成分を調合しているので、その点も気にしながら選ぶといいでしょう。
また、幹細胞の由来によって効果に差はありますが、その場合、そもそもの治療費用が異なるので、混同することはないと思います。
だいたい似たような価格帯の治療は、たとえ名称が違っても、施術方法が違っても、効果に大きな差というものはないと思います。
ただ、それぞれの体質や治療時の薄毛の状態などで、効果に差が出ることは考えられます。

このあたりは、カウンセリングで詳しく説明してもらえます
タイプ別「メソセラピー(毛髪再生治療)」の費用目安
メソセラピー療法を受けるには、どのくらいの費用がかかるのでしょうか?
また、施術は何回くらい受けるものなのでしょうか?
ここでは、平均的な施術費用をタイプ別に見ていきたいと思います。
手軽で人気な、成長因子のみのメソセラピー療法
発毛に特化した、数種類の成長因子と有効成分を調合した、もっともスタンダードなメソセラピー療法です。
技法も研究されていて、注射タイプ~電気で浸透させるエレクトロポレーションまで施術方法も選べるようになっています。

ちょっとでも痛いのが苦手なら、エレクトロポレーションがオススメです
男性の場合は、AGA治療との併用で、毛量の増大が期待できます。
【成分の一例】
- ケラチン細胞増殖因子(KGF)
- 幹細胞増殖因子(HGF-1)
- インスリン様成長因子(IGF)
- 繊維芽細胞増殖因子(bFGF)
- 血管内皮細胞増殖因子(VEGF)
- その他
※幹細胞は取り除かれています。
スタンダードなものは、この内の3~5種類ほどが含まれています。
成分の組合わせはクリニックによって異なります。
施術費用の目安と回数
効果が見込める治療回数などは、薄毛の状態や進行度によって異なります。
- 1か月に1度の施術
- 施術回数(3~6回)※薄毛の状態によります
- 約3~8万円/回
【施術可能なクリニック】
オンライン以外の、ほとんどの薄毛治療クリニックで施術が可能です。

治療名は病院によっていろいろです
いろいろあって、迷うんだけど 違いが知りたいんだよね 薄毛治療には、AGA治療薬のほかに成長因子などを使ったメソセラピー療法(毛髪再生治療)があります。 ただ、この …
発毛効果が長く続く、幹細胞そのものを使ったメソセラピー療法
幹細胞を使用したメソセラピー療法です。
他人の幹細胞では拒絶反応を引き起こすため、この治療では自分自身の細胞を採取して、行います。
採取する部位は、お腹や太ももの皮下脂肪であったり、頭皮(毛包組織)であったりなど、薄毛治療院によって異なります。
注入した幹細胞が次々と放出する成長因子の働きで、元々の幹細胞も刺激され、周辺の細胞活性化につながります。
その結果、健康的な髪が生み出され、コシのある太い髪へと成長します。
また、その発毛効果も1回の施術で、半年~数年単位で続く、とのことですが、これも体質や生活環境によって個人差があります。

この個人差がある、という点が
毛髪再生治療のマイナス要素なんです。
自家細胞(自身の細胞)なので、拒絶反応のリスクは非常に低いと言えます。
AGA男性の場合は、やはりDHT(脱毛ホルモン)の攻撃がありますので、発毛した髪を維持するためには、フィナステリド、もしくはデュタステリドの服用が必要なようです。
施術費用の目安と回数
『ダブルマトリックス(湘南AGAクリニック)』『ケラステム毛髪再生(聖心美容外科)』などがありますが、幹細胞を使う治療法は、薄毛治療として扱っているところはまだ少ないです。
- 施術回数(1回のみ)
- 30万~150万円/回
【施術可能なクリニック】
- 自毛植毛クリニック
- 薄毛治療クリニック
- 美容クリニック
治療メニューに表示していなくても、自毛植毛クリニックでは相談すれば可能なこともあるようです。
薄毛治療としては新しい方法なので、実際に施術した場合、どのくらい効果が見込めるのかなどを事前に相談できますし、より良い治療方法があればアドバイスもしてもらえます。

自毛植毛の技術でかんたんに応用できるみたいです。
薄毛治療としての「PRP(platelet rich plasma)療法」
シワ・たるみの改善など、美肌治療ではよく見かけるPRP療法ですが、薄毛治療にも用いられています。

歯科や整形外科でも、骨、筋、腱の再生にふつうに使われています。
自身の血液から抽出した、多血小板血漿(PRP)の働きを利用した治療法です。
このPRPには多くの成長因子やサイトカインが含まれていて、これを薄毛部位に注入することで、弱った毛母細胞の働きを活発に導き、毛髪の成長を促します。
つまり、発毛・育毛効果が期待できるということです。
PRPは、安全性の高い再生医療ですが、この治療法だけで薄毛に改善が見込めるかというと・・・若干、弱めだと私は感じています。
特に男性ホルモンが原因の薄毛(女性のFAGA)の場合、本来の薄毛治療と併用することで、その効果を高めてくれるので、どちらかというとサポート的な位置づけですね。

治療補助として使用すると、とても有効ではありますよ。
施術費用と回数
治療回数は薄毛の症状によって異なりますが、効果は2~3か月ぐらいで感じられるようになります。
- 2~3か月ごとに1回
- 施術回数(1~6回)
- 11万~16万円/回
【施術可能なクリニック】
- 薄毛治療クリニック
- 美容クリニック
薄毛に悩んでいる方なら薄毛治療クリニックがおすすめです。
40代以降の女性で、髪のボリュームを整える目的なら、かかりつけの美容クリニックでもOKだと思います。
まとめ
今回は、地肌が見えるような女性の薄毛にも効果が期待できる、即効性の高い薄毛治療について、まとめてみました。
女性の薄毛は、男性のAGAと同じ男性ホルモンにかかわるものもありますが、それ以外にもいくつもの要因がミックスされて起こります。
つまり、徹底的に毛母細胞を攻撃し続ける男性ホルモンだけが薄毛の原因ではないので、女性とメソセラピー療法はわりと相性が良いようです。
本当の効果は、薄毛の状態を先生にチェックしてもらわなければわかりませんが、50代以降の女性で、この施術を受けている方は、私の周りではわりといらっしゃいます。
髪やせやつむじを中心とした薄毛が気になっている方は、薄毛治療を専門的に行っているクリニックをおすすめします。
信頼できる、かかりつけの美容クリニックがある方は、まずそこで相談してみるのも良いと思います。