こんにちは、髪ふさアドバイザーの吉宮です。
クリニックでの女性の薄毛治療薬というと、
その内容はほとんどがサプリメント（栄養補助食品）となっています。
一瞬、「え？」と思いますよね。
薬ではなく、サプリで本当に効果があるのでしょうか。
どのような病気でも、治療方法を選べる場合、
「とりあえず、お薬で」と考える方は多いと思います。
薄毛治療でも同じですね。
怖いことや痛いことはしたくないし、「お薬」でしばらく様子を見て、それで治ればいいし。
もしも、望む結果が得られないようなら、次のステップ（治療）へ移ればいい。
そんなふうに、とりあえずは「お薬で治したい」という方のためにも
クリニックでの女性の薄毛治療には、どのようなお薬が使われているのか、
その有効性も併せて見てまいりたいと思います。
AGA治療薬は女性の薄毛には意味なし!?
男性の薄毛治療には、とっても効き目の高いAGA治療薬があります。
ところが、男性にはとても有効なお薬が、女性には副作用の関係上、使えません。
それだけでなく、使ったとしても、効果の面でもイマイチなのです。
日本国内の臨床試験はありませんが、海外では、
女性型脱毛症（FAGA）の女性患者137名に対して、
男性の薄毛治療薬であるフィナステリドによる治験（ちけん）が行われています。
その結果によると、
服用したとしても、その効果は男性よりも低い、という試験結果が出ています。
また、フィナステリドを投与したグループと偽薬のグループ（プラセボ群）とを比べた場合も、
その効き目に大した差はなく、「有意差はなし」という結果が出ています。
こうのように、女性にとっては副作用のリスクばかりが高く、
それを上回る効果もない、ということで
日本のクリニックでは、女性の薄毛患者の治療に、AGA治療薬は処方されません。
【女性が使ってはいけない薄毛治療薬】
- フィナステリド（プロペシア）
- デュタステリド（ザガーロ）
特に妊婦さんは、粉を吸うのもダメなのよね。
赤ちゃんが男の子だった場合、
生殖器の発育に障害が出る恐れがあるのよ。
妊婦さんの生活空間で、お薬をナイフでカットするような行為は禁止です。
このほかにも、服用者（男性）に対してもいろんな注意事項があるのですが、
クリニックできちんと説明してもらえます。
つまり、夫のAGA治療薬を、こっそり使ってみる、なんてことはやめましょう。
大して効果はありませんからね。
では、女性の薄毛治療に有効な薬って、何があるのでしょうか?
女性の薄毛治療に有効なお薬ってなに?
女性の薄毛治療に唯一、有効とされるのはミノキシジルです。
と、されてきましたが、
女性の薄毛治療の研究が進むにつれ、少しずつ変化があります。
とりあえず、ミノキシジルから見ていきましょう。
薄毛の治療薬としてのミノキシジル
ミノキシジルは、国内では承認されていませんが、元々は子どもの高血圧のお薬です。
患者である子どもの体毛が増えたり濃くなったりという
副作用に着眼して、薄毛治療に使われるようになったのが、ミノキシジルです。
ミノキシジルには血流改善と発毛効果が認められています。
ミノキシジルには飲む内服薬と塗る外用薬とがありますが、
脱毛症の治療薬として承認されているのは外用薬です。
ミノキシジル外用薬
ミノキシジルの塗り薬は、クリニックだけでなく
薬剤師のいる薬局で購入することができます。
その代表格が「リアップリジェンヌ（大正製薬）」ですね。
市販品は、男性用には５％～の製品がありますが、
女性用はミノキシジル含有率１％のみです。
クリニックでは、症状を見ながら濃度の調整を行うところもあります。
海外の女性に対しての臨床試験では、
１％、２％、５％でそれぞれの比較試験が行われましたが、
国内では１％での治験しか行われていません。
ちなみに、海外の（女性に対しての）治験では、
５％と２％では効果に有意差はなかったとの結果が出ています。
これも男女での効果の差異ですね。
ミノキシジルの内服薬
ミノキシジルにはタブレットになった内服薬もあります。
内服薬は外用薬に比べて、非常に高い発毛効果がありますが、
その反面、副作用も出やすいといったデメリットがあります。
そのため、クリニックでのみ処方が可能な医薬品となります。
専門知識のあるドクターが、
経過観察しながら処方するタイプのお薬です。
ただ、ミノキシジルは医薬品なので、
内服薬だけでなく外用薬にも副作用があります。
ミノキシジルの副作用
どんなお薬にも、副作用はあります。
ですが、ミノキシジルの副作用は、ちょっと厳しいものがあります。
女性にとって（男性にとっても）最もつらいミノキシジルの副作用は、
使用開始からしばらくすると、休止期毛（今生えている髪）が抜け始める、というものです。
急に抜け毛が増えてくのよね～！
長く育てた髪が抜け始めるのは、ツラいですぅ。
こういった現象を「初期脱毛」と呼びます。
市販のミノキシジル育毛（発毛）剤を使い始めて、途中で挫折する原因のトップが、この初期脱毛が起こることによります。
クリニックで処方される場合は、こういった初期脱毛を軽減するための対策もとられます。
それ以外の副作用として、
かゆみ、紅斑、落屑（らくせつ）、毛包炎、接触皮膚炎、顔面の多毛などがあります。
落屑（らくせつ）とは、皮膚表面の
細かなかさぶた状の鱗屑（りんせつ）がはがれて
パラパラと落ちる（落屑）ことです。
いわゆるフケですね。
それと、女性にとってやっかいなのが「顔面の多毛」。
これも人によって程度の差はありますが、
うっすらと、もみあげ辺りとか口の周辺とかが
何気に毛深い状態になってしまうというのは・・・泣けてきます。
鏡を見たら鼻毛が飛び出てて、
青ざめたって人、多いみたいですよ。
鼻毛は・・・気づいても、教えてあげられないよね・・・。
絶対に、教えてください！
うん、髪の毛以外の発毛・増毛は困ります。
スピロノラクトン
これまでは、女性が使える医薬品はミノキシジルしかなかったのですが、
最近では、スピロノラクトンが有効ということで、処方されるようになりました。
スピロノラクトンは国内で古くから高血圧の薬として使われてきたものです。
それ以外に、アンドロゲンの働きを抑制する作用もあることから、
大人のニキビ治療に使われていますね。
スピロノラクトンには、そのほかにも多様なホルモン作用があるのですが、
まだすべてが解明されたわけではないようです。
ただ、その中で、脱毛ホルモンを抑制する働きがあることがわかり
女性の薄毛治療薬として、
クリニックでは数年前から処方されるようになりました。
スピロノラクトンの副作用とは?
気になるスピロノラクトンの副作用ですが、
この薬自体は長年の使用経験から、特に重大な副作用もないことがわかっています。
それでも、お薬に副作用は付きものです。
高齢の高血圧の方が飲む薬なので、閉経前の方が服用すると、
飲む量にもよりますが、生理不順や不正出血が起こることがあります。
そのほか、利尿作用があるので、のどの渇きがあります。
まれに（高齢者の服用で）電解質異常、急性腎不全などの副作用の可能性があるともされています。
また、妊婦さんや授乳中の方、妊娠予定の方は、服用してはいけません。
利尿作用で血圧を下げたり、
むくみを取ったりする薬なんです。
このように、近年、薄毛に関する治療研究が急速に進んだことで、
難しいとされる女性の薄毛も、きちんと治療できるようになってきたことが、とってもうれしいですね。
クリニックで処方される育毛サプリメントって、どんな効果があるの?
男性の薄毛に有効なAGA治療薬が女性にも使えたなら、何の問題もなかったのですが、
残念ながら女性には使えませんし、使ったとしても効果はイマイチです。
これまで、唯一、使えるのがミノキシジルという、泣ける状況でした。
実はミノキシジルだけでは、大して効果的とも言えないのよね。
そこで、登場したのが、毛髪治療に特化したサプリメント系の医薬品です。
サプリメントと言っても、きちんと臨床試験も行われ、
薄毛改善が立証されている、医薬品扱いの栄養補助食品です。
特に、薄毛の悩みを持つ方に共通していることに、
栄養が不足していたり、養分が頭皮にまで行き渡っていないということが挙げられます。
そこに着目したのが、育毛サプリメントです。
髪に必要な栄養を、吸収率の高いサプリメントで積極的に摂り込むことで、
毛母細胞を活性化に結び付けようとするものです。
もちろん、そこにはバイオ技術を使って
動植物から抽出した有効成分の働きが必要不可欠です。
天然由来の成分の働きで血のめぐりを良くし、
摂り込んだ栄養を毛母細胞にまで行き届くような設計で作られたものが、育毛サプリメントです。
効果はゆっくりと現れますが、副作用の報告もなく、
女性が、安心して服用できるという点で、女性の薄毛治療にとても大きく貢献しています。
まず、従来の女性の薄毛治療に使われてきたサプリメントを見ていきます。
パントガール
女性のびまん性脱毛症など、毛髪の退行性変化に対して有効な内服です。
- びまん性脱毛症
- 出産後の抜け毛
- 紫外線によるダメージの改善
- 白髪の改善
- 爪の成長不良の改善
この中でも、特にびまん性脱毛症に有効とされています。
毛髪への有効成分としては、
主な有効成分
- ケラチン（毛髪をつくるために必要なタンパク質）
- パントテン酸カルシウム（毛髪や皮膚組織を正常に保つ）
- L－シスチン（毛髪の主成分であるアミノ酸。肌の新陳代謝やシミ予防にも有効）
- ビタミンB群（健康的な髪の維持）
など、髪のハリやコシに重要な働きをもつ栄養成分で構成されています。
髪に有効な成分の配合や含有率などで特許を取得しており、
その有効性なども数多くの臨床データから確認することができます。
それによると、使用者の70％に改善が見られ、20％においては、完全に回復に至った、との報告があります。
薄毛の軽症者であれば、これだけでもかなり回復するでしょう。
ただ、それ以外であれば、ミノキシジルなどと併用する処方が、クリニックでは一般的です。
（パントガール）
- 飲み方 １日３回 １カプセル／回
ルグゼバイブ
女性の薄毛治療薬として、2015年にアメリカで製造販売された新薬です。
成分はパントガールとほぼ同じで、そこに馬プラセンタとコロストラムがプラスされています。
コロストラムとは、牛の初乳のことで、赤ちゃんが最初に呑むお乳です。
この中には、健康に生きていくための免疫（生命維持因子）が豊富に含まれています。
【コロストラム】
免疫力を高め、髪と肌に活力を与えます。成長因子が含まれています。
【馬プラセンタ】
アミノ酸を豊富に含み、髪に艶とうるおいを与えます。
抜け毛や脱毛症だけではなく、ツヤやハリ、
弾力のなくなった髪やダメージを受けた髪にも有効に作用します。
パントガールの「上位互換」とも言われています。
（ルグゼバイブ）
- 飲み方 １日３回 １カプセル／回
ビビスカルプロフェッショナル
独自の特許成分である、高濃度の海洋性たんぱく複合体「AminoMar（アミノマー）」と、
育毛に有効な栄養成分が入った新しい育毛治療薬として、新しく発売された育毛サプリメントです。
このビビスカルの有効性と安全性に関する臨床試験は世界各地で行われており、女性の薄毛への効果がすでに証明されています。
健康な毛髪の成長を内側から促し、強化する働きのビオチンやリンゴ抽出物も含有しています。
ビビスカルの主な有効成分
ビビスカル・プロフェッショナルの主な有効成分の働きをチェックしてみます。
AminoMar C™（アミノマーC）
海洋性の原材料魚類、軟体類由来から抽出された、海洋性たんぱく複合体です。
ビビスカルだけに用いられている有効成分であり、髪の成長を内側から促進します。
ビオチン(ビタミン B7)
健康な髪の成長に欠かせない成分です。
炭水化物や脂質、アミノ酸の体内への吸収を助け、コラーゲンの生成を促します。
アミノ酸はタンパク質の構成成分で、髪を作るのに不可欠なものです。
リンゴ抽出物粉末(プロシアニジン B2)
ポリフェノールの一種。
髪の密度および太さを増加させることが確認されている、
重要な成分で、毛髪の成長を促します。
また、抗酸化作用もあります。
サプリって言ってもバカにできないわね～。
このほかにも、髪と皮膚を作る必須アミノ酸で、
髪の成長に有効なＬ－シスチン、Ｌ－メチオニンが含まれています。
ビビスカルには薬剤・ホルモン剤の成分は一切含まれていないので、これまで副作用の報告もありません。
お肌にも嬉しい感じですね。
（ビビスカルプロフェッショナル）
- 飲み方 1日２回 １錠／回
（錠剤のサイズが少し大きいです）
以上が、クリニックで購入できる、従来の育毛サプリメントです。
女性の育毛サプリメントってどこで購入できるの?
ここで挙げた育毛サプリメントは、今ではインターネットで購入することもできますが、
さまざまな理由から、クリニックを通して購入することを強くおすすめします。
クリニックに卸される商品（薬・サプリ・その他）は、
少なくとも先進国では、すべて原料から製造、梱包まで特別な工場で行われています。
ところが、ネットを通して購入できるものは、その点が不明です。
本物かどうかは、それを作った一部の人間にしかわからないことです。
それよりも、クリニックを通して、確かな製品を入手することが、確かな効果を得る近道ですし、
仮に何か問題が起こった場合も、クリニックが責任を持って対処してくれます。
あと、クリニック専売の製品は、同じ商品名、同じようなパッケージであっても、
市販で購入できるものとは成分内容に違いがあります。
（クリニックで購入するメリット）
- 正規品を入手できる
- 新しい商品が入手できる
- 成分内容と濃度が違う
- 問題が生じたときもドクターが対処してくれる
おすすめクリニックはこちら
育毛サプリの効果が現れる期間って、どのくらい?
育毛サプリメントは薬ではありません。
育毛サプリメントで治療を開始した場合、即効性を求めてはいけません。
【育毛サプリメントで効果が現れるステップ】
育毛サプリメントを決められた量を、毎日、摂り始めると、少しずつ変化が訪れます。
まず、体に栄養が補給されることで、その成分の働きで血流も良くなります。
すると、血液の流れに乗って、摂取した栄養が体中をめぐり始めます。
じょじょに体のすみずみまで養分が運ばれるようになり、やがて頭皮にも行き渡ります。
そうなると毛母細胞に、髪を生みだすために必要な栄養が受け渡され、ふたたび強い髪が作られ始めます。
血流が良くなることで、硬かった頭皮も弾力を取り戻し、
しなやかな髪が生まれやすい環境が整っていきます。
けっこう、時間がかかりそうね。
生活や食習慣などによって個人差はありますが、
健康な髪を生みだす環境が整うまで、おおよそ３～６か月の準備期間が必要です。
ヘアーサイクルを考えてみても、やはり６か月は続けてみてください。
育毛剤でも育毛サプリメントの成分にしても、
一定の効果を調べるための臨床試験期間として
「６か月」を目安として、行われています。
6カ月継続することで、初めて効果が現れると思っておくぐらいがいいでしょう。
最新の育毛サプリメントはクリニックの「オリジナル」!?
これまでクリニックが女性の薄毛治療で処方するのは、
ミノキシジルと、パントガールなどメーカーの育毛サプリメントと決まっていましたが、
今、そのパターンに変化が起こっています。
ん? どういうこと?
実は、ここ数年の間に、女性の薄毛に関する研究も相当、進みました。
女性が薄毛になる原因や、そのしくみなどが少しずつでもわかったことで、
それに対応した有効成分や、より安全な医薬品などが処方できるようになった、ということです。
そう言えば、スピロノラクトンなんかも、そうよね～。
そういう背景があって、最近のクリニックでは、
患者の症状などに合せて、独自に調合した医薬品やサプリメントを処方するようになりました。
それが、クリニック「オリジナル」の処方薬（サプリ）です。
よく「オーダーメイド処方」って書かれてるけど、
それって、そういうことなのね。
特に、女性の薄毛の原因は一つではなく、いくつもの要因が重なっていることが多いので、
患者一人ひとりに合せて処方することで、効果的な治療が可能となります。
もちろん、長年の実績のあるパントガールなどの、メーカー製の育毛サプリメントも有効なのですが、
クリニックで診察してもらい、自分の症状に合ったものが処方されるのなら、
そちらのほうが、より効果的なのは言うまでもありません。
メーカー製もそれぞれ特許成分を使っているので、
クリニックによっては、メーカー製とオリジナルを使い分けたりしています。
（オリジナル処方のメリット）
- 自分の症状に合わせた処方
- 万人向けの物よりも効果が高い
- リーズナブル
- 成分濃度が高く、高品質
まとめ
女性の薄毛治療で処方される医薬品としては、
・育毛サプリメント
・ミノキシジル（内服・外用薬）
・スピロノラクトン
この３種類を用意するクリニックが増えてきました。
まだ、男性のAGA治療薬のように、
劇的な効果をもたらす医薬品は、女性には見つかっていませんが、
組み合わせの相乗効果によって、薄毛が改善されます。
サプリメント系医薬品は、副作用もなく、安心して服用できるところが利点ですね。
クリニックオリジナルの育毛サプリメントは、濃度も高く、お肌にもいい成分内容ですので、
「飲む化粧品」として、日常に採り入れるのもいいかもしれません。
薄毛治療に関心を持って以来、
こういったサプリメント系の話題を振ってみると、
意外とすでに摂っている方が多いのに驚きました。（市販薬も含める）
美意識高い系の方々からすると、当たり前のケアなのかもしれませんね。
そして同時に、若い世代の女子も、
「髪が薄くなる」「ハリやコシがなくなる」という老化現象に危機感を抱いているようで、
とても関心を示して、話は大いに盛り上がりました。
むしろ、関心示さない女の人っていなかったよね～。
やっぱり、みんな、将来カッパみたいにはなりたくないんだね～。
あたりまえでしょ。
