薄毛治療で最も早く髪を増やすには?再生医療の種類と特徴

 

 

きちみや

こんにちは、髪ふさアドバイザーの吉宮です。

 

最短で髪を増やすには、どうすればいいのでしょうか。

 

薄毛を感じ始めたときに、まず考えることですよね。

 

ここでは、最もはやく髪が回復する方法として、オプションの毛髪再生治療について、その働きと効果などについて調べてみました。

薄毛治療薬の効果を高める毛髪再生治療とは?

 

病院での薄毛治療の基本は、AGA治療薬です。

 

最近では、クリニックのオリジナル治療薬として、AGA治療薬に必要なサプリなどをセットしたものが処方され、以前に比べてリーズナブルになっています。

 

サチコ

AGA治療薬もジェネリックが出て以来、かなり安価になりました。

 

このAGA治療薬だけでも薄毛治療には十分効果があります。

 

ただ、体質によってはAGA治療薬が合わない、という方もいます。

 

以前なら、そういう方は薄毛治療をあきらめ、サプリや育毛剤で地道にケアを続けるしかありませんでした。

 

ところが近年、成長因子や幹細胞を使った再生医療が薄毛治療にも応用されるようになり、AGA治療薬が無理な方でも、薄毛治療を継続できるようになりました。

 

またAGA治療薬で問題ない方でも、毛髪再生治療を併用することで、早めの発毛効果や、治療後の毛量が多く生えそろうなど、トータルの治療効果が強くなることが期待できます。

 

費用にしても、増毛や植毛などに比べるとはるかに低価格なので、お財布にやさしく採り入れやすいのが、この毛髪再生治療です。

 

ただ、この治療法は受けて効果が見込める方と、そうでない方がいます。

 

そこは実際に先生に診断してもらうしかないのですが、治療に関する知識はあったほうがいいでしょう。

 

毛髪再生治療の特徴や、どういう仕組みで薄毛治療に応用されるようになったのかなど、サラッと知っておくと、先生の説明もすんなり頭に入ると思います。

毛髪再生治療にはタイプがある?

 

地道に続けられていた基礎研究の成果が現在、再生医療として様々な方面で応用されています。

 

薄毛治療の現場でも、毛髪再生治療として活用されています。

 

大まかなタイプとしては、次の3つです。

 

  1. 培養上清治療法(成長因子を注入する治療法)
  2. 毛誘導能を持つ間葉系細胞を移植(幹細胞を注入)する治療法
  3. PRP(多血症板血漿)を注入する治療法

 

この3タイプが現在、薄毛治療の現場でよく活用されている方法です。

毛髪再生治療が効く仕組みとは?

 

それぞれの毛髪再生治療法に共通しているのは、幹細胞から放出される「生理活性物質」(成長因子やサイトカイン)」の働きに着目した点です。

 

サチコ

ここでは「成長因子」で説明を進めますね

 

成長因子というのは、細胞や組織の成長をうながす作用を持った、たんぱく質のことを指します。

 

成長因子=たんぱく質、ですね。

 

人間の体は「水」「たんぱく質」「脂質」「炭水化物」などの成分でできているわけですが、全体の20%程度を占める、このたんぱく質成分が、筋肉や内臓、血液、髪や皮膚、爪、骨などをつくっています。

 

要するに、それぞれの細胞をつくっている重要な成分ということです。

 

サチコ

たんぱく質とは、人間が健康に生きていくのに、絶対に欠かせない成分なんです。

 

そして、毛髪再生治療では、髪を生み出すのに重要な働きをする幹細胞からつくられた成長因子を、頭皮にダイレクトに注入します。

 

AGAによって弱り切った毛母細胞に、この成長因子が作用し、しばらくすると再び発毛機能が目覚め、活性化し始めます。

 

やがて、短命化していた毛周期(ヘアーサイクル)も正常な状態へと戻っていきます。

 

毛髪再生治療とは、こういう仕組みで薄毛をすみやかに健康な髪へと再生させる、という考え方です。

幹細胞とはナニ?

 

私たちヒトの体というのは、約37兆個の細胞でつくられています。

 

サチコ

以前はヒトの細胞は60兆個とされていたのですが、近年、訂正されました。

 

この細胞の基(もと)となるのが幹細胞です。

 

  • 血液を構成する様々な細胞の「基(もと)」となる造血幹細胞
  • 神経を形成する様々な細胞の「基(もと)」となる神経幹細胞

 

このように、幹細胞にもいろいろルーツ(由来)があったりします。

 

サチコ

幹細胞には、二つのトクベツな能力があるんです!

 

幹細胞のステキな能力

 

  • 自己複製能力
    自分とまったく同じものをコピーできます
  • 多分化能
    自分以外の細胞に変身することができます

 

「多分化能」とは、幹細胞の種類によって、それぞれ皮膚や軟骨、血液など他の臓器をつくりだすことができる能力です。

 

サチコ

たとえば、神経幹細胞の場合だと、こんな感じになります

 

【神経幹細胞】(自己複製能と多分化能を併せ持つ未分化な細胞)

 

「自分のコピー(神経幹細胞)」

「ニューロン」

「アストロサイト」

「オリゴデンドロサイト」

 

このように、自分のコピー(自己複製)に加えて、三つの細胞を生み出すことが可能なんです。

 

こういう幹細胞の能力を活用するのが、再生医療です。

 

そして、毛髪再生治療には、間葉系幹細胞を使います。

 

間葉系幹細胞は、細胞分裂して増殖する能力(増殖能)が高く、ひとつの系統の細胞に限らず、神経や筋肉、脂肪、骨などに分化する能力(多分化能)を持っています。

 

サチコ

こういう幹細胞を多能性幹細胞と呼びます

 

また、皮下脂肪から採取できるのも利点です。

 

間葉系細胞の特徴

 

  • 増殖能が非常に高い
  • 多分化能がある
  • 比較的、採取しやすい

再生医療で脂肪幹細胞が重宝されるワケとは?

 

長年の研究の中で、人間の体の中にも、受精卵の中のES細胞と同じように、さまざまな細胞に分化する能力が高い細胞が存在することがわかりました。

 

それが多分化能を持つ間葉系幹細胞です。

 

間葉系幹細胞は、1960年代に骨髄から見つかり、その後2000年代に入って脂肪組織からも発見されました。

ES細胞やiPS細胞と間葉系幹細胞の違いとは?

 

万能細胞と呼ばれるES細胞やiPS細胞は、1個の細胞からすべての組織、臓器を形作ることができます。

 

一方、間葉系幹細胞も同じ能力を持つのですが、ES細胞やiPS細胞ほど、その能力(増殖能力や多分化能力)は強くはありません。

 

けれど、ES細胞やiPS細胞の持つリスクが回避できるのは大きなメリットです。

ES細胞の問題

 

ES細胞には倫理に関するリスクがあります。

 

ES細胞は初期の受精卵を使用します。

 

受精卵の内部細胞塊という場所からしか採取できないため、これを得るために一つの受精卵を犠牲にしてしまいます。

 

一つの命を犠牲にする、ということです。

iPS細胞の問題

 

iPS細胞は受精卵ではなく、体の細胞から作成することができますが、遺伝子の操作(遺伝子導入)が必要なため、移植後に腫瘍ができるリスクがあります。

 

この部分がiPS細胞を使用する際の、安全面に関する大きな課題となっています。

間葉系幹細胞のメリット

 

間葉系幹細胞には、ES細胞やiPS細胞と同様の能力を持ちながら、同じようなリスクはありません。

 

それに加え、骨髄や脂肪から簡単に採取できてしまうことも大きなメリットです。

 

骨髄からはじゃっかん難しいですが、脂肪から採取できるということは、たくさんの量が確保できるということです。

 

世界中で、美容目的で脂肪吸引の施術は、よく行われています。

 

その吸引した脂肪というのは、今まで捨てられていたわけですから、とても簡単に手に入りますよね。

 

こういった条件を備えた間葉系幹細胞は、問題が少なく、利用しやすい幹細胞として研究に重宝され、治療現場においても応用されて、盛んに利用されるようになりました。

 

サチコ

だから、私たちでも支払える金額で再生治療ができるようになったんですね

 

多能性幹細胞が存在する部位

 

多分化能を持つ幹細胞は、脂肪以外にも存在することが発見されています。

  • 表皮
    バルジ領域の細胞が毛にも、脂腺にも表皮にもなりうる多能性幹細胞が存在する
  • 真皮
    神経細胞や平滑筋細胞、脂肪細胞になりうる多能性幹細胞が存在する
  • 脂肪
    骨や軟骨や筋肉、神経などになりうる多能性幹細胞が存在する

毛髪再生治療で低価格で人気がある方法とは?

 

薄毛治療の現場で、毛髪再生治療としてもっとも普及しているのは「成長因子」のみを使う毛髪メソセラピー療法です。

 

比較的、低価格なうえ、痛みが苦手な方でも大丈夫なように技術も開発されています。

 

受ける方が多いため、臨床データも積み上がっていて、以前のように効果があいまいなことも少なくなったようです。

 

この、成長因子のみを使う「幹細胞培養上清療法」について、もう少し掘り下げてみていきます。

培養上清治療法(成長因子を利用したメソセラピー治療法)

 

培養上清治療法とは、
幹細胞から抽出した成長因子を薄毛部位に注入することで、毛髪の再生を促す治療法です。

 

上清(じょうせい)というのは、要するに上澄み液のことです。

 

幹細胞を培養する(増やす)時、培養液の中には、幹細胞から分泌される多くの成長因子が溶け出しています。

 

その培養液の上澄みの部分(成長因子をたっぷり含んでいる)が培養上清液です。

 

毛髪再生治療で使われる薬剤には、この培養液の中に溶けだした成長因子やサイトカインを利用します。

成長因子の効果とは?

 

幹細胞培養上清液には、幹細胞から分泌した様々な成長因子や免疫調節因子(サイトカイン)など、500種類を越えるタンパク質を含む成分が、たっぷり溶け込んでいます。

 

培養上清液に含まれる成長因子

 

培養上清液の中にはいろんな働きをする成長因子が入っています

  • 皮膚を再生する因子
  • 血管を増殖させる因子
  • 神経を修復する因子
  • 免疫を調整する因子
  • 骨形成を進める因子

 

毛髪再生治療では、特に発毛にかかわる成長因子にしぼって薬剤を調合しています。

 

これらの成長因子の作用により、脱毛ホルモンであるDHTに傷めつけられ、弱ってしまった毛母細胞を活性化して、発毛機能をよみがえらせよう(再生)というのが、理屈です。

拒絶反応の危険性は?

 

この幹細胞培養上清治療では、幹細胞そのものは取り除いているので、倫理的な問題はなく、また免疫拒絶を起こす心配もほとんどありません

 

幹細胞を使う治療の場合、自家細胞でなければならない理由は、自分以外の細胞だと拒絶反応のリスクがあるからです。

 

サチコ

安全性に関しては先生からきっちり説明がありますよ

メソセラピーの治療名がクリニックによって違うのはなぜ?

 

毛髪再生治療で、特に成長因子を使ったメソセラピー療法は、クリニックごとに名称が違っています。

 

「発毛メソセラピー」「グロースファクター」「ベネブ」「スマートメソ」「ドクターメソ」「HARG」など、いろいろあります。

 

 

違いというと、使われる薬剤の有効成分や、成長因子の由来、種類、数量、技法などの違いから、名称も異なるようです。

 

AGA治療薬との併用で、発毛量に差が出ることは、確かなようです。

 

まとめ

 

説明する女性スタッフ

薄毛治療で、毛髪再生治療を選ぶ際には、薬剤の内容成分を知り、その効果をある程度、把握しておくほうがいいでしょう。

 

それぞれの特徴を知って、自分に合ったものを選ぶことをおすすめします。

 

いずれにしても、毛髪再生治療はオプションなので、少なくない金額が掛かります。

 

自分が希望する治療方法を選んで、「こういうふうになりたい」という希望をまとめた上で、先生に相談して決めてください。