きちみや

こんにちは、髪ふさアドバイザーの吉宮です。

 

今、日本の男性はとてもおしゃれで、かっこよくなっていますが、それだけに髪の悩みは深刻です。

 

 

男性に多い薄毛というと、AGA(男性型脱毛症)がありますね。

 

 

このAGAは、遺伝と男性ホルモンの作用が原因の薄毛で、病気ではなく、生理的なもので、どちらかというと体質のようなものです。

 

 

早い人なら20代前半でその兆候が見え始めるのですが、それでもいきなり見た目が薄毛・若ハゲになってしまうわけではありません。

 

 

他人の目からはっきりと「あ、薄毛になってる」とわかるまでには、数年の時間をかけているはずです。

 

 

その間に、きちんと対策や薄毛予防をすることができていれば、30代、40代のいちばん充実した時期に、イメージ的にも「受け入れられない髪型」になってしまうことを防ぐことも可能です。

 

 

では、どのようにして薄毛になっていくのでしょうか。

 

 

早めにAGAの兆候をキャッチするためにも、AGAに特徴的な髪の毛の変化について見ておきたいと思います。

 

薄毛(AGA)が始まると何が起こる?

 

AGAとFAGAに悩む男女



AGA(男性型脱毛症)は、強力な男性ホルモンDHTが毛母細胞を攻撃することで、発症します。

 

 

では、DHTは、脱毛ホルモンとも呼ばれていますが、DHTの攻撃で何が変化していくのでしょうか。

 

  • ヘアサイクル(毛周期)
  • 毛包のサイズ

 

この二つに大きな変化が現われます。

 

 

毛周期とは1本の髪の一生(寿命)で、これが短縮(短命化)してしまいます。

 

 

また、髪をはぐくむ工場である毛包(もうほう)自体が縮んでしまうことで、そこで育つ髪もミニチュア化してしまいます。

 

 

AGAになると、こういうことが頭皮の内側で起こっているわけです。

 

 

では、健康な髪の状態からAGAになっていくまでを、ヘアサイクルと毛包の変化で確認していきます。

 

 

AGAの髪の寿命は短い!?健康な髪とのヘアサイクルの違い

 

ヘアサイクル(毛周期)



まずは、1本の髪の寿命であるヘアサイクルが、AGAを発症するとどう変化していくのでしょうか。

 

 

男女で違うヘアサイクル

 

 

ヘアサイクルは男女で違います。

 

 

男性の場合、1本の髪が生まれて抜け落ちるまでの期間は3~6年と言われています。

 

 

サチコ

資料によっては、男性の成長期間は2~6年と記すものもあります。

 

女性のヘアサイクルは4~10年ですが、人によっては20年以上、髪が伸び続ける方もいらっしゃいます。

 

 

この男女間のヘアサイクルの差は、女性ホルモンの作用が関係しています。

 

 

女性ホルモンのエストロゲンが抜け毛を防ぎ、髪の成長をうながす働きを持っていることが、女性のヘアサイクルが長期化している理由です。

 

 

男女あわせて、ヘアサイクルの平均期間は5~8年というところでしょうか。

 

 

このヘアサイクルが、1本の髪が生まれて、成長し、自然に抜け落ちるまでの期間ということです。

 

 

ヘアサイクル(毛周期)と髪の成長ステージ

 

 

髪の一生でもあるヘアサイクル。

髪が生まれて抜け落ちるまでを順に追ってみましょう。

 

 

【ヘアサイクルの始まり】

 

ヘアサイクル(新生毛芽)



まず、毛穴の奥で、髪の赤ちゃんが生まれます。

これを毛芽(もうが)と呼びます。

 

 

サチコ

実際は、毛芽の上の毛包には古い休止期毛がささっています。

 

毛芽が活動を始めると、毛細血管とつながり、栄養を受け取りながら成長期に入ります。

 

 

いったん縮んでいた毛包も、元のサイズへと戻っていきます。

 

ヘアサイクル成長期の初期


【ヘアサイクル(成長期)3~6年】

 

髪の赤ちゃんは毛細血管から栄養をもらって、すくすくと育ちます。

 

 

正確に言うと、毛母細胞が増殖・分化し、角化して髪が伸びていきます。

 

 

この時、同じ毛穴には、古い休止期毛が存在しています。

 

 

髪の赤ちゃんは、頭の上をふさいでいる古い髪(休止期毛)をぐいぐい押し上げながら、元気に成長を続けます。

 

 

そのうちに、古い髪は押し出されて、自然に抜け落ちていきます。

 

 

毛穴の中で、新しい元気な髪がのびのびと、ますます強く太く成長していきます。

 

ヘアサイクルの成長期


 

【ヘアサイクル(退行期)約2週間】

 

すくすく伸びていた髪の毛ですが、やがて成長期が終わります。

 

 

すると、毛根の部分が、栄養を運んでいた毛乳頭と切り離され、それ以上の成長を止めてしまいます。

 

ヘアサイクル(退行期)



栄養を補給されなくなった髪は、毛穴(毛包)に、ただ刺さっているだけです。

 

 

【ヘアサイクル(休止期)約4か月】

 

完全に毛乳頭と切り離された髪の下部では、新しい毛芽が存在しています。

ヘアサイクル(休止期)



しばらくすると、新しい毛芽が成長期の活動を始めます。

 

 

サチコ

ヘアサイクルの説明の最初に戻るわけです。

 

新しい髪がすくすくと成長し、古い髪の毛を下からぐいぐい押し上げてきます。

 

 

約4か月もすると、古い髪はかなり毛穴の出口近くまで押し上げられ、ちょっとした刺激で抜け落ちる寸前となります。

 

 

そうなると、ブラッシングや洗髪などの刺激、あるいは自然に、古い髪は抜け落ちていきます。

 

 

サチコ

休止期に入った髪が抜け落ちるまで、約4か月ってことですね。

 

古い髪にとって休止期とは、押し出されるのを待つばかりの期間です。

 

 

このように健康な状態の毛髪は、

 

(成長期3~6年)

    ↓

(退行期2~3週間)

    ↓

(休止期3~4か月)

 

というサイクルを繰り返しながら、常に約10万本という頭全体の髪の総数を維持しているわけです。

 

 

ところが、AGAになると、このヘアサイクルの期間に異変が生じます。

 

 

異常に短い!?AGAのヘアサイクル(の成長期)

 

 

AGA(男性型脱毛症)になると、ヘアサイクルが乱れ、短縮していきます。

 

 

ここで、注目していただきたいのは、成長期の期間です。

 

 

男性の通常の成長期間は3~6年でした。

 

 

ところが、AGA(男性型脱毛症)を発症すると、この成長期がどんどんと短くなっていきます。

 

 

【成長期の変化】

 

(通常)3~6年

  ↓

(AGA)数週間~1年

 

 

このように、AGA患者の成長期は、わずか数週間~数か月です。

 

 

個人差はありますが、長く見ても1年未満へと短縮してしまっています。

 

 

通常3~6年間もの成長期間が、わずか数か月しかなければ、十分な強さを持った髪へと成長することはできません。

 

 

成長期が短くなれば、髪は弱々しいまま寿命を迎えてしまうということになります。

 

 

成長期が短いと、なぜ髪は弱々しくなる?

 

AGAの弱った毛髪


成長期が短いということは、髪が育ち切らないということです。

 

 

髪の栄養は血管から送り込まれます。

 

 

毛根の先端には毛乳頭があって、毛細血管とつながっています。

 

 

毛細血管から送り込まれた栄養を、毛乳頭は「これを使って髪をつくってね」という指令といっしょに毛母細胞に渡します。

 

 

それを受けて「まかせといて」と、毛母細胞は髪をせっせと生み出すわけですが・・・。

 

 

AGAでは、毛母細胞は脱毛ホルモンとも呼ばれるDHTの猛烈な攻撃にさらされている状態なので、うまく髪がつくれません。

 

 

そうこうしている内に、AGAの影響でヘアサイクルが乱れ、成長期の期間があっという間に終わってしまいます。

 

 

成長期が終わるということは、そのまま退行期に入るので、細胞と髪は切り離されていきます。

 

 

このようにDHTの影響下にありながら、成長の初期段階で、栄養補給ルートから切り離されるので、ハリもコシもないままに成長を終えてしまいます。

 

 

AGAの髪とは、虚弱体質の子どものようなもので、それ以上成長できなくなった状態の髪とも言えます。

 

 

AGAの薄毛部分は、ほぼ抜ける毛だらけ!?

 

手鏡で薄毛部分を確認する男性



成長期を終えた髪はヘアサイクルの退行期を経て、休止期毛へと移行します。

 

 

AGAでない方の頭部全体の髪は、その約90%が成長期毛です。

 

 

ここから3~5年程度、すくすくと髪が太く丈夫に育っていく中で、10%前後の休止期毛が代わるがわる抜け落ちて、また新しい髪に生え変わっていきます。

 

 

これが、健全な頭部では毎日80~100本程度の抜け毛となります。

 

 

マキ

髪の工場がフル回転しているってことね。

 

ところが、この成長期毛と休止期毛との割合が、AGAでは逆転してしまいます。

 

 

AGAの方の薄毛部位を調べると、そのほとんどが常に休止期毛という状態となっています。

 

 

成長期が短縮してしまったために、休止期毛の割合のほうが多くなるという逆転現象が起きているわけです。

 

 

そして、AGAが進行するにつれ、抜け毛の本数も逆に減っていきます。

 

 

マキ

髪の生産工場が停止しかけているから、抜ける毛も少ないのね・・・。

 

AGAになると髪はミニサイズ化する!?

 

 

AGA(男性型脱毛症)になると、ヘアサイクルの成長期が短縮すると同時に、毛包のサイズが縮んだままになってしまいます。

 

 

毛包というのは、髪が育つための機能付きの部屋で、その入り口(出口)が毛穴です。

 

 

ヘアサイクルが乱れて、成長期が短縮すると、毛包も十分に成長できないため、その中で育つ髪も毛包に合せたサイズとなります。

 

 

イメージとしては、浜辺の松と、盆栽の松という感じでしょうか。

 

 

姿、形はきちんと一人前の毛髪だけれど、サイズだけがミニというのが、AGA(男性型脱毛症)の毛髪変化の特徴です。

 

 

これを髪のミニチュア化と呼んでいます。

 

 

髪のミニチュア化が毛髪の薄毛化の真相です。

 

 

髪は生えているのだけれど、あまりにも細くて短くて、地肌が目立つようになってしまった、という状態がAGAです。

 

 

早めのAGA対策!クリニックへ行く前にためしたい予防策

 

額の薄毛に気づいた青年



AGAの特徴はハゲ方にあります。

 

 

頭頂部と額の生え際が、まるで「M」という文字のように深くハゲ上がっていきます。

 

 

頭頂部はなかなか気づきにくいかもしれませんが、額は毎日鏡を見れいれば、「あれ…?」と気づくことは多いと思います。

 

 

【気になるAGAの兆候】

 

  • 額の生え際がなぜか気になる
  • 頭頂部にボリュームが保てなくなった
  • 髪がこれまでより細くなった気がする

 

 

もし、このような違和感を覚えた場合、AGAの可能性があります。

 

 

その場合、すぐにクリニックに行くのもいいですが、まだ時間に猶予はあるので、次のことを試してみてください。

 

【毎日のヘアケア】

 

・シャンプーをアミノ酸系のものに替える

・シャンプーは1回、半プッシュだけ

・シャンプーの後、十分すぎるほど洗い流す

・トリートメントはほんの少しを毛先にのみ使う

・トリートメントは地肌につけない

・地肌についたトリートメントはしっかりと洗い流す

・シャンプーを3日に1回にし、それ以外はお湯で洗い流すケア

・シャンプーを朝・夜に使用している場合、夜の1回だけにする

・頭皮マッサージは地肌をこすらない、必死にしない。

 

現在、販売されているシャンプー類に悪いものはそうないと思いますが、もうワンランク上げて、アミノ酸系の洗浄力のおだやかなものを使ってみてください。

 

シャンプー



また、シャンプー液はワンプッシュではなく、半プッシュ程度で十分です。

 

 

泡立ちが少なくても、きちんと汚れなどは落ちています。

 

 

シャンプーもトリートメントも洗い流しをしっかりと行ってください。

 

 

特に首筋や生え際などは、見逃しがちなので、最後の仕上げにおでこもシャワーで洗い流しましょう。

 

 

また、男性は力が強いので、マッサージがいいと聞くと、わりと一生懸命にする方が多いようですが、逆効果の面もあります。

 

 

マッサージは血行をよくするためなので、軽く指圧するつもりでサッと行ってください。

 

 

その時、地肌をこすらないように注意してくださいね。

 

 

サチコ

次は、食べ物についてです。

 

賑やかな食事風景


【食べ物からのケア】

 

・甘いものやスナック菓子をやめる

・麺類をさける

・炭水化物を少し減らす(完全カットはダメ!)

・飲み物をお茶か水に替える

・揚げ物なども衣(ころも)を残す

 

薄毛の人にとって、活性酸素を増やす糖分は、髪の大敵です。

 

 

コーヒー・紅茶なら無糖を選び、パンやスナック類は油や糖質が多いので、「今、これを食べないとオレは生きてけないのか!?」と自分に問いかけ、食べなくてもいいものなら、そっと売り場に戻してください。

 

 

ジュース類は糖質が異常に多いので、ここは毛髪の保護のためにお茶か水に替えてみてください。

 

 

スポーツドリンクは、激しい肉体過労から即エネルギー補給のために糖質が高くなっていますので、デスクワークの方はさけましょう。

 

 

アスリートや肉体労働に従事する方なら問題ありませんし、むしろ積極的に疲労回復して、安全に活動していただきたいです。

 

 

また、揚げ物を好んで週に何回も食べている方は、週に1回程度にしてみてください。

 

 

食べたくてガマンできない場合は、お店だとイヤな顔をされますが、衣を全部食べ切ってしまわないという方法もあります。

 

 

エビフライを食べている時にズルンと衣が外れたなら、外したまま、そっと残しましょう。

 

とりあえず、これらのことをちょっと気にして、1個でも2個でも実行することで、生活習慣が原因の場合、意外と抜け毛がおさまっていく場合があります。

 

 

AGAの場合は進行性ではありますが、その速度を遅らせることはできるので、こういう生活習慣の改善は無駄にはなりません。

 

 

むしろ、後にクリニックで薄毛治療を始めた時に、効果が早めに得られる可能性が高くなります。

 

 

すぐにできる予防対策をしても、いっこうに抜け毛がおさまらず、髪が細くなっていくようであれば、薄毛治療のクリニックへ行くことをおすすめします。

 

 

早めに治療を始めると、経済的負担も軽く、効果も早く実感できます。

 

 

ただ、AGAの治療薬は、一生のお付き合いです。

 

 

遠くない未来に、もっと効果的な治療法が出てくるかもしれませんが・・・。

 

 

現在のところ、処方されるAGA治療薬は、飲むのをやめると効果が失われるので、自分が「もういいや」と思う年齢まで、飲み続ける必要があります。

 

 

薄毛治療に成功するためには

薄毛で眼鏡の男性


AGA(男性型脱毛症)は、強力な男性ホルモンDHTの作用で薄毛が進行します。

 

 

男性の場合は、頭頂部と額の生え際から前頭部にかけて薄毛が進み、最終的には無毛状態となります。

 

 

女性の場合は、女性ホルモンの低下で男性ホルモンが優位になることで、AGAと似たような症状が現れます。

 

 

これをFAGA(女性型脱毛症)と言いますが、女性の場合は、頭頂部と前頭部の髪がミニチュア化しますが、無毛にまでは進行しません。

 

 

このような違いはありますが、いずれにしても数年かけてヘアサイクルが短縮していくことで、髪が細く、短くなっていきます。

 

 

こういうしくみを知っておくと、早めの対策も可能です。

 

 

すっかり薄毛になってしまってからでは、クリニックへ行ったとしても、なかなか満足のいく状態まで回復するには、お金も時間もかかります。

 

 

とは言え、自分が「もしかして薄毛になるかも」と感じて、すぐに行動に移せる方は少ないと思います。

 

 

抜け毛が増えたり、髪の量に変化を感じてからも、あれこれ迷ったり、調べたりしている間に、あっという間に数年が経ち、AGAが進んでしまう例が多いようです。

 

 

そうならないためにも、生活習慣の見直しと改善という予防対策を実践して、薄毛の進行を遅らせることにはげんでください。

 

 

そうやって改善に取り組みながら、自分にとって納得のいくクリニック探しをするといいと思います。

 

 

また、行動力や決断力のある方も、クリニック選びは、しっかりと行ってください。

 

 

きちんと下調べをして、納得して選んだクリニックだと、ドクターとの信頼関係も築きやすく、その後の治療にも納得がいくと思います。

 

 

今できる、薄毛・抜け毛の予防対策をしつつ、自分に合った治療法などを選んでください。

 

 

そういう方は、たいがい薄毛治療の結果に満足しているようです。

 

 

悩みが解消すると、いろんなことに前向きになれますよ。