こんにちは、髪ふさアドバイザーの吉宮です。
現在は、男性の薄毛も女性の薄毛もクリニックで治すことのできる時代です。
その方法としては、AGA治療薬(内服薬・外用薬)や、育毛サプリメント、成長因子や細胞を使った毛髪再生治療法など、選択肢も増えています。
今回は、それらの中から、もっとも普及しているAGA治療薬について、その効果と副作用をくわしくチェックしていきたいと思います。
男性の薄毛(AGA)は進行性!?
男性型脱毛症(AGA)を発症すると、どのようになるのかを、まず確認しておきます。
思春期以降、男性ホルモンの血中濃度が高まり、それが血管を通って頭部へとめぐってきます。
血流にのって運ばれてきたテストステロン(男性ホルモン)が、毛乳頭に入ってくると、還元酵素の働きで活性型の男性ホルモンに変化します。
それがDHT(ジヒドロテストステロン)です。
DHTは、さらに男性ホルモンの受容体(レセプター)に結合し、髪を生みだす毛母細胞を攻撃し始めます。
これが頭頂部と額の生え際(前頭部)限定で起こります。
脱毛ホルモンとも呼ばれるDHTの妨害行為によって、毛母細胞の発毛機能は少しずつ弱っていきます。
髪は生え変わるたびに細く、軟毛化していき、地肌が目立つようになります。
(これが薄毛の状態)
さらにAGAが進行すると、生え変わりのサイクル(毛周期)も短くなっていき、その分、髪も育ち切らない短いまま抜け落ちるようになります。
(これが若ハゲの状態)
その後、だんだんと生え変わることもできなくなり、ついには細胞が寿命を終え、毛穴が消失します。
(これがAGAの完成形の状態)
これが、男性型脱毛症(AGA)が進行していく様子です。
そして、AGA治療薬は、この症状の進行にストップをかけることのできるお薬なのですが、実際に、どのような効果があるのでしょうか。
薄毛のお薬治療「3種の薬剤」とその効能とは?
男性の薄毛(AGA)の治療薬としては、フィナステリド、デュタステリド、ミノキシジルの3つがあります。
フィナステリドは『プロペシア』の主成分で、デュタステリドは『ザガーロ』の主成分です。
現在は、各クリニックが症状に合わせたオリジナル処方を行っているので、プロペシアやザガーロを選ぶ方は少ないと思います。
また、オリジナル処方薬のほうが安価で、お財布に優しい設定となっています。
【3種の薬剤とその効能】
※スマホの方は横向きでご覧ください。
薬品名 | 効 能 |
デュタステリド |
AGAの進行を止めます。 5α-レダクターゼⅠ型及びⅡ型に対する阻害薬。 フィナステリドの上位互換のような薬。 |
フィナステリド |
AGAの進行を止めます。 5α-レダクターゼⅡ型を阻害する薬剤。 |
ミノキシジル (内服・外用) |
発毛促進。 もともと高血圧の薬で、血管拡張作用がある。 毛細血管の血行を促進させ、毛根へ養分を届けることにより発毛を促します。 |
フィナステリドは、男性ホルモン(テストステロン)がDHTに変化するための酵素(5αレダクターゼⅡ型)を阻止します。
デュタステリドは同じく5αレダクターゼⅡ型と、もう一つ5αレダクターゼⅠ型の両方を阻止しますが、AGAに関係しているのは、Ⅱ型のほうです。
※ 『ザガーロ(主成分デュタステリド)』は2016年に発売されたもので、2018年現在は韓国と日本でのみ認可されています。
それ以前のAGA治療薬は、フィナステリド(プロペシア)とミノキシジルの2種でした。
AGA治療薬の男性に致命的な副作用とは!?
現在、日本において、もっとも実績のある治療法は
- デュタステリド(ザガーロ)
- フィナステリド(プロペシア)
- ミノキシジル(内服・外用)
この三つの薬剤(医薬品)を使っての治療です。
この治療薬を用いた患者の約9割が薄毛の改善が果たせています。
ただ、これらの医薬品は処方薬ですので、クリニックを受診する必要があります。
もっとも、個人輸入などで安価に入手することもできますが、おススメいたしません。
これらのAGA治療薬は、効果がある反面、軽微とはいえ副作用があることも確認されています。
特に内服薬のミノキシジルには見た目にかかわる副作用があり、個人の体質に合わせた調整が必要となります。
では、どのような副作用があるのか、確認してみましょう。
3種類のAGA治療薬の副作用のとは?
【3種の薬剤とその副作用《カッコ内は商品名》】
※スマホの方は横向きでご覧ください。
薬品名 | 副 作 用 |
デュタステリド (ザガーロ) |
リビドー(性欲)減少、インポテンツ、射精障害 |
フィナステリド (プロペシア) |
リビドー(性欲)減少、インポテンツ、認知機能障害、筋力低下、集中力低下、幸福感低下、気分障害、肝機能障害。 また服用終了後の後遺症。 |
ミノキシジル 外用薬 内服薬
|
かゆみ、紅斑、落屑(らくせつ)、毛包炎、接触皮膚炎、顔面の多毛。 初期段階で休止期の髪が脱毛します。
(内服では更に) 胸痛、心拍数増加、動悸、息切れ、呼吸困難、むくみ、うっ血性心不全、体重増加などの心血管系障害が生じる恐れがあります |
AGA治療薬を服用中に注意するべきこととは?
【注意事項・禁止事項】
フィナステリド、デュタステリドを服用中の献血は禁止。
【理由】
妊婦への輸血により、男子胎児および授乳中の男子乳幼児の生殖器官の発育に、重大な影響を及ぼす恐れがあります。
【注意事項・禁止事項】
フィナステリド又はデュタステリドを服用している場合、前立腺癌の検査を受けた際に、血清PSA濃度が約50%低下してしまいます。
【気をつけること】
正しい所見のために、検査の前には必ず服用の有無を医師に報告しなければなりません。
【注意事項・禁止事項】
フィナステリド、デュタステリドの錠剤を妊婦のいる空間で割ってはいけません。
【理由】
空気中に飛散した成分を女性が呼吸によって体内に吸収する恐れがあります。
この3種のAGA治療薬を、患者それぞれの状態や体質に合せて組み合わせ、処方してくれるのがクリニックです。
副作用の発症に関しても、きちんとした説明と経過観察がなされるため、不安にさいなまれパニックに陥ることもありません。
また、少しでも変だな、と感じたなら、すぐにドクターに連絡しましょう。
いざというときに専門医がそばにいてサポートをしてくれる、というのは大きな心の支えですよね。
AGA治療薬の発毛効果って、本当のところどうなの?
「今では薄毛はクリニックで治る時代」とか言われても、周囲に実際に治療して発毛効果のほどを見ていないと、どうしても疑いたくなりますよね。
クリニックの宣伝じゃないのか、とか。
そういう時には、第三者視点の公正な意見というものをチェックしてみるのも、一つの安心材料となります。
幸い日本皮膚科学会が、男性型脱毛症(AGA)に関する、標準的な治療法をまとめたものを発表しています。
それによると、この3種の薬剤は、日本皮膚科学会から「発毛効果あり」とのお墨付きをもらっています。
ただし、女性には使用制限がありますね。
夫の薬を横からもらうの、厳禁!
以下、日本皮膚科学会『男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版』より引用
デュタステリド(ザガーロ)
「高い水準の根拠があるので内服療法を行うよう強く勧める」
「女性には内服療法を行うべきではない」
フィナステリド(プロペシア)
「高い水準の根拠があるので内服療法を行うよう強く勧める」
「男子胎児に影響があるので妊婦、授乳中の女性への投与は禁忌」
ミノキシジル(外用)
「高い水準の根拠があるので5%の外用を行うよう強く勧める」
「同じく女性型脱毛症には1%の外用を行うよう強く勧める」
ただし、内服に関しては男女ともに
「ミノキシジルの内服療法は、利益と危険性が十分に検証されていないため、行わないように強く勧める」
としています。
これは、内服のほうが外用に比べて明らかに効果が高いこともあり、安易に使用することへの警鐘です。
昔から言われているように、薬は使い方次第で毒となります。
やはり、専門の知識を持った医師のもとで、最高効果の治療を始めてほしいものです。
以上の理由から、
医薬品による男性型脱毛症(AGA)治療は専門クリニックでおこなってください。