こんにちは、髪ふさアドバイザーの吉宮です。
薄毛に悩んでいる方にとって、自毛植毛は根本的な薄毛の解決法として、高い注目を集めています。
確かに、一度植毛した髪は何もしなくても生え続けるので、お薬治療からシフトする方も増加中です。
ただ、植毛するにはリスクもあります。
それを思うと・・・
- 「万が一、植毛に失敗したらどうしよう」
- 「後悔するくらいなら、植毛なんてやめたほうがいいかも」
- 「今よりひどい結果になったら・・・どうしたらいいんだ?」
というように、なかなか植毛する勇気が出ない、という方も多いようです。
そこで今回は、植毛のデメリットと失敗例を中心にお伝えしたいと思います。
前もって知っていると、失敗のリスクは避けられますよ
日本で行われる主な植毛法
植毛のデメリットや失敗例は、どんな方法で植毛したかも関係するので、ここでは植毛法の種類について簡単に説明しておきたいと思います。
日本で行われている植毛は、主に次の2つの技法です。
- FUE法・・・切らない植毛法
- FUT法・・・切る植毛法
それぞれの特徴をピックアップすると、以下のとおりです。
- パンチ(ストロー状の針のようなもの)を使用して行う
- 痛みが少ない
- 傷痕がほとんど残らない
- ダウンタイムがほとんどない
- 繊細かつ高度な技術を要する
- 一度に広範囲の植毛には向いていない
FUSS法・ストリップ法とも呼ばれます。
- メスを使って行う(グラフト採取のため皮膚ごと切り取るため)
- 痛みがある
- 傷痕が大なり小なり残る(技術の差による)
- ダウンタイムがある(縫合した傷が治るまで)
- 世界中で普及している植毛法
- 一度に広範囲の植毛ができる
細かく挙げていくときりがありませんが、主な特徴は以上です。
日本では、2つの植毛法のうち、痛みが少なくダウンタイムのないFUE法が、現在のところ主流となっています。
以上のことを踏まえて、植毛のデメリットと失敗例を見ていきます。
植毛にはどんなデメリットがある?
まずは、植毛したときのデメリットを把握しておきたいと思います。
- 増毛できるわけではない
- 施術後に腫れや痛みがある
- 施術後にかさぶたができ、傷痕が残る
- 一時的に抜け毛がある
- 髪が生えそろうまで時間がかかる
植毛のデメリット「増毛できない」とは?
植毛すると髪が増えると思っている方もいますが、植毛に増毛効果はありません。
自分の毛髪の一部をハゲている部分へ移植する技術なので、植毛したからといって全体の毛量が増えるわけではありません。
さらに、移植するための髪は、AGAの影響を受けにくい後頭部・側頭部から採取するので、数に限りがあります。
つまり、ハゲている部分へ好きなだけ無制限に植毛できるわけではない、ということです。
要するに、全体の毛量バランスを見ながら、髪の配置換えするのが自毛植毛です
植毛できる髪に制限がある、という点がデメリットです。
植毛のデメリット「手術後に腫れや痛みがある」とは?
植毛手術の後は麻酔が切れるので、グラフトを採取した部分と植毛した部分とに痛みや腫れを感じることがあります。
切る植毛と切らない植毛で程度の差はありますが、回復にともない痛みは数日で治まっていきます。
ただ、切る植毛では、後頭部にズキズキした痛みと引っ張るような違和感が1週間程度、残る場合もありますが、傷が癒えるにつれて少しずつマシになっていきます。
切らない植毛では、ほとんど痛みはないか、軽い違和感程度です
額周辺に植毛した場合は、腫れを感じる方もいますが、これも2~3日で治まっていきます。
植毛後の痛みや腫れには個人差があります。
- 頭頂部と後頭部に熱っぽさを感じた
- 頭頂部を中心に何となく痛みと腫れぼったさが数日あった
- まぶた周辺がむくみ、眠そうな顔になった
- 顔がむくんだ
- 後頭部に痛みがやや長く続いた(切る植毛法)
- 後頭部につっぱり感があった(切る植毛法)
植毛のデメリット「カサブタと傷痕ができる」とは?
植毛後の傷痕(きずあと)にはカサブタができ、その傷痕が大きければあとが残ります。
傷痕の大小は、植毛法によって大きく異なります。
【FUE法】切らない植毛法のカサブタは小さい
FUE法ではすべて針のようなパンチを使用して行うので、傷も極めて小さく、そこにできるカサブタも1ミリ程度の点です。
植毛後3~4日でカサブタができますが、1週間もすれば自然に落ちてなくなります。
傷痕もほとんど残らず、カサブタも目立たないのがFUE法の良い点です。
だから、こちらの植毛法が日本人に好まれているわけですね
【FUT法】切る植毛法は傷もカサブタも大きい?
FUT法はグラフト採取のため、後頭部の皮膚を帯状に切り取り、それを縫合するため、横一文字の傷が残り、そこにできるカサブタもそれなりに目立ちます。
カサブタは自然に落ちますが、縫合した痕には髪が生えず、白くうっすらとした傷が残ります。
それでも縫合技術は進化していて、今では限りなく目立たなくなっています
植毛のデメリット「一時的に抜け毛がある」とは?
植毛した後に、しばらくすると抜け毛が増えたと感じることがあります。
この抜け毛には2つの種類があります
- 一時的脱毛
- ショックロス
【一時的脱毛】とは?
一時的脱毛とは、植毛後に少し伸びた髪が抜け落ちる現象です。
この理由ははっきりしています。
植毛した毛根組織がうまく定着すると新しく髪がつくり出され、ヘアーサイクルが正常に起動します。
その時、植毛した毛根に生えていた旧い髪が、新しい髪に押し出されて抜け落ちるのが、一時的脱毛の正体です。
なので、植毛後に少し伸びた髪が抜けても、植毛に失敗したわけではありません。
この後に、しっかりとした健康な髪が生えてくるので心配はありません。
今回は、植毛手術後に髪が抜け落ちる現象についてです。 前回の「ショックロス」に続いての後半として、 &nbs …
【ショックロス】とは?
ショックロスとは、植毛後しばらく経った頃、植毛した周辺の毛髪が抜ける現象です。
この抜け毛は、植毛していない部分でも起こることがあり、原因ははっきりわかっていません。
ただ、植毛施術をすることで頭部に集中して無数の傷を受けるため、心身への強いストレスが原因かも、と考えられています。
そのため、このショックロスに関してはかなり個人差があります。
ショックロスが起こっていてもほとんど気づかない人もいれば、たしかに抜け毛が増えたと感じる人もいます。
ただ、ごっそりと髪が抜けるようなことはなく、通常よりも抜け毛が多いと感じる程度で、それもしばらくすれば落ち着きます。
これも、一時的なものですね
植毛後の抜け毛はデメリットには違いありませんが、こういったことは事前に先生から説明があります。
前もって「そういうもんだ」とわかっていれば、さほど気にせず過ごせるみたいですよ。
植毛をした後、「髪が抜けた」ということをよく耳にします。 薄毛の悩みを解消すべく、自毛植毛についての情報集めをしていると、ついつい悪い情報に目が吸い付けられます。 …
植毛のデメリット「髪が生えそろうまで時間がかかる」とは?
自毛植毛では、後頭部などから採取した毛根組織を薄毛部位に移植するため、定着して髪が生えそろうまで一定の時間がかかります。
男性に多い短髪であれば、6か月~1年ほどで違和感がなくなります。
それまでの期間は。ヘアシートや部分ウィッグなどを用いれば日常生活に困りません(おそらくどの植毛クリニックでも用意されています)。
そういう見た目のダウンタイムが嫌な方は、剃らずにできる植毛方法もあるので、そちらをおすすめします。
翌日、出勤してもだれにも気づかれません(現に私も全く気づかず、その方に接していました)。
特に、女性と接客関連の職業の方に向いている方法です。
植毛に失敗すると・・・髪はどうなる!?
植毛に失敗したら、どうなるのでしょうか?
大きな期待と勇気をもって自毛植毛したものの、思わぬ結果に苦しむ方もいます。
ここでは、よくある失敗例として4つのパターンを見ていきます。
- 植毛したが定着しなかった
- 仕上がりが不自然
- 密度不足でスカスカ感
- 傷痕が目立つ
それぞれ、どういった状態なのか解説していきます。
植毛の失敗例「植毛したが定着しなかった」とは?
「植毛した髪が定着(生着)しない」というのは、失敗の典型例です。
これは、頭皮に移植した毛根組織がうまく血管とつながらず生着しなかったために、毛根ごと抜け落ちてしまう現象です。
髪を生み出す組織そのものが失われたため、そこから髪は二度と生えてきません。
「定着(生着)しなかった」とは、植物でたとえると、せっかく花の苗を植えたものの根付かずに枯れてしまった状態のことです。
薄毛の方にとっては、毛髪という限りある財産を失うことになり、取り返しのつかない事態となります。
植毛の失敗例「仕上がりが不自然で気持ち悪い」とは?
この「仕上がりが不自然で気持ち悪い」というのも植毛の失敗例として、程度の差こそあれよく聞きます。
植毛した髪が気持ち悪く感じるのは、そこに生えるべきでない毛質の髪や、その生え方に違和感を感じるからです。
この仕上がりの違和感というのは植毛後、半年~1年ほど経ち髪が生えそろってきた頃に気づく問題点です。
特に額の生え際に黒々とした剛毛が生えてきたり、毛が生える角度や向きがばらついていたりすると、目に入りやすい部分だけに、不自然さをより強く感じます。
本来、生え際などにはやわらかく細い毛や、産毛状の髪が多く生えているので、それに近い髪を選んで植毛するべきところ、できていないために不自然さが際立ってしまった失敗例です。
これは植毛医のデザイン力の問題です。
原因としては、次のことが考えられます。
- 施術者の経験不足
- 施術者の美的センスが欠けている
- 施術者の性格が大ざっぱ(作業に緻密さが足りない)
ただし、この「仕上がりが不自然」というのは主観的な面もあるので、人によっては問題視しないこともあります。
一応、定着には成功しているため、必ずしも失敗とは言い切れない、ある意味やっかいな失敗例です。
こういうビミョーな失敗が、わりと多かったりします
植毛の失敗例「密度不足で髪がスカスカ」とは?
植毛したけれど「密度不足で髪がスカスカ」というのは、見た目の不自然さにつながる問題です。
やはり植毛後に髪が生えそろう半年~1年経った頃に発覚し、悩みの種となります。
【頭頂部の髪がスカスカ】はなぜ起こる?
これは、おでこから頭頂部にかけて、広範囲の植毛を一度で行おうとした場合などに起こりやすくなります。
植毛用に一度に採取できるグラフト量には限度があるため、それを広い範囲に植毛するとなると、どうしても密度不足が起こりがちです。
もっとも髪が伸びるにつれあまり気にならなくなる、というケースもあるので、しばらく様子を見るといいでしょう。
仮に、後頭部や耳周辺の毛量がたっぷりある方なら、少しずつ数回に分けて植毛していく方法もあります。
計画的に植毛を行うことで体への負担を減らしつつ、そこそこ髪の密度を高めることが可能です。
【後頭部の髪がスカスカ】はなぜ起こる?
先ほどとは逆で、こちらはグラフト採取をやり過ぎたために起こったトラブルです。
たっぷりと植毛するため、バランスを考慮せずに大量のグラフト採取を行い、かえってドナーエリアに薄毛ができて目立ってしまったという失敗例です。
いずれにしても、植毛医の未熟さやずさんなデザイン計画が要因です。
植毛の失敗例「傷が目立つ」とは?
植毛した傷が目立つという問題は、ほとんどの場合、切る植毛(FUT法)で起こります。
グラフト採取のために頭皮を帯状に切り取るため、その傷口を縫い合わせた痕がどうしても残ってしまうのです。
さらに縫合した痕には髪が生えないことから、後頭部に横一文字の白い傷痕はひどく目立つわけです。
スパッとナイフで切られた痕のようで、見た目は痛々しいです。
この傷痕は決して失敗ではないのですが、高度な仕上がりを求める日本では問題視されてしまいます。
実際、日本で行う切る植毛では、この傷痕をいかに目立たなくさせるかにも尽力しています。
もともと日本では傷痕が残ることを嫌って、切らない植毛法(FUE)のほうが好まれるようになりました。
ただ、広範囲の植毛には切る植毛法(FUT)が向いています。
- FUE法(切らない植毛)・・・傷痕がほとんど残らない
- FUT法(切る植毛)・・・傷痕が残る(医師の技術次第)
- FUE法+FUT法・・・傷痕は残るが目立たない(広範囲の植毛が可能)
どちらで植毛してもいいように、最初から高い技術を持った植毛医を選ぶことが大切です。
植毛に失敗しないための対策とは?
ここまで植毛のリスクばかり見てきましたが、では、植毛に失敗しないためにはどうすればいいのでしょうか?
植毛に失敗しない対策でもっとも有効なのは、経験豊富で優秀な植毛クリニックを選ぶことです。
- 植毛の専門クリニックを選ぶ
- 経験豊富な植毛医がいるクリニックを選ぶ
- 事前カウンセリングで十分な説明を行うクリニックを選ぶ
- 費用等について明確に説明するクリニックを選ぶ
植毛クリニック全体の症例数も大切ですが、植毛施術をする医師本人の経歴や、植毛にたずさわってからの実績などに注目してください。
大手の勤務医であろうと開業医であろうと、医師本人の実績が何よりも重要です。
また、事前のカウンセリングで十分な時間を取り、植毛のメリットだけでなくデメリットについてもしっかりと説明してくれる先生が良い先生です。
そして植毛費用についても「これだけかかります」と明確に提示してくれるクリニックを選びましょう。
気になる費用ですが、高技術の植毛クリニックでは、どこも値段に大きな違いはなさそうです
あと、同業他社をバッシングする内容や批判等をSNSやブログで一方的に流すクリニック(あるいは医師個人)は、いろいろな意味であまりおすすめしません。
植毛に失敗してしまった時の対策とは?
では、植毛に失敗してしまった場合、どうしたらいいのでしょうか?
望んだ結果と著しくかけ離れた仕上がりだった場合、まずは植毛したクリニックに相談しましょう。
多くは、そこで解決します(示談が成立)。
示談が成立しなかった場合には、泣き寝入りか次の段階に進みます。
【失敗した植毛の対処の手順】
- 施術した植毛クリニックに相談する
- 植毛クリニックと話し合いで解決
- 植毛クリニックと争う
植毛したクリニックに相談する
植毛後、仕上がりに不満があった場合、まずは植毛施術をしたクリニックに相談します。
施術した植毛クリニックが相談内容を検討して、手直しなり返金なり、不満を解消する何らかの対処をしてくれる可能性があります。
次の項とも関係しますが、話し合いで収まるなら、それに越したことはありません。
植毛した時からある程度時間が経つと、いろいろと記憶違いから水掛け論になることもあります。
そうならないためにも、植毛する前に受けた説明内容で、先生の発言で特に重要だと思うことはノートなどに書き留めておくといいですね。
植毛後は自分の経過観察日記を付けておくと、もしもの時の資料として役立ちます。
【対決前に事前にまとめておくこと】
- 植毛の事前説明で聞いたことを書き出しておく(リスク関連)
- 植毛後に起こった問題点、状態等、事前説明と異なる点などを書き出しておく
- 植毛後の状態を写真に撮っておく
記憶が薄れない内に、植毛前に受けた説明の内容や、その時の会話の内容、日時、その時の行動などもふくめて、思い出せる限りのことをすべて記録しておいてください。
念のため、別のクリニックの医師に、現在の状態、症状についての詳しい診断書や、思い当たる原因などについての意見書を書いてもらっておくといいでしょう。
問題の決着が付くまでは、他の植毛クリニックで不具合の修復施術をしてしまわないよう気をつけてください(証拠が失われます)。
植毛したクリニックと話し合いで解決
仮に、植毛の結果が「著(いちじる)しく見目を損ない、生活していく上で大きな不利益をこうむる」状態になった場合も、まずは話し合いから始めます。
クリニック側が非を認めればいいのですが、そうでない場合も記録した資料などを参考に話し合い、互いの妥協点を見いだすよう努めます(示談交渉)。
ここで穏便に話し合いが成立した場合は、取り決めたとおりの修復処置や、返金なり賠償金なりの支払いを終え、この件は解決済み、となります。
植毛クリニックを訴える
では、話し合いでうまく解決しなかった場合は、どうなるのでしょうか?
植毛クリニックとの示談が成立しなかった場合、この件はあきらめるか、もしくは裁判所に訴え出るか(損害賠償請求の申し立て)、どちらかになります。
弁護士に依頼する場合は、医療事故を得意とする弁護士を指定して選びましょう。
あまりお金をかけずに解決したい場合には、弁護士会が運営する「仲裁センター(ADR)」「紛争解決センター(ADR)」などに相談するといいでしょう。
ただ、どちらにしてもお金も時間もかかる上、非常にタフな闘いとなるので、相応の覚悟が必要です。
まとめ
自毛植毛した髪は、その後も白髪になるまで生え続けます。
それが植毛の最大のメリットなのですが、植毛施術にはデメリットもあり、場合によっては失敗することもあります。
植毛の失敗は取り返しがつかない上、心身共に大きなダメージを受けます。
さらに別のクリニックで修復施術を受けるとなると、いらぬ大金を費やすことにもなります。
そうならないためにも、植毛クリニックは慎重に選びましょう。
ここでは、自毛植毛クリニックのご紹介をさせていただきます。現在において、すでに最高水準に達し、さらに進化したFUE法を行うクリニックをまず、ご紹介。 生え際の産毛まで、再現可能なクリニックです。そこまで極めたならば、当然「植毛したってこと、人にバレた