こんにちは、髪ふさアドバイザーの吉宮です。
最近、「グレイヘア」が脚光を浴びていますね。
実際に、白髪染めをやめて、グレイヘアを選ぶ方も増えています。
理由は、経済的な事情であったり、髪へのダメージであったり、人それぞれですが、
白髪染めをやめた先輩方が、とても美しく変身されているのを目の当たりにすると、
「白髪=年寄、老け込んだ」
というイメージは、もはや過去のものとなりました。
では、そういった先輩方はいつ白髪染めをやめようと思うのか、
また、どのように艶やかなグレイヘアを維持しているのか、知りたくなりますよね。
そこで、ここでは、長年の習慣である「白髪染めをやめる」という選択と、
「グレイヘアでより美しくなる」ということについて、考えてみたいと思います。
白髪染めいつやめる?あえて「白髪」は最先端のおしゃれ!?
髪がいちばん傷む要因として挙げられるのは、やはりカラーリングです。
スタイリスト(美容師)も、一人ひとりの髪や頭皮の状態を確認しつつ、
できるだけダメージの少ない方法でカラーリングを施します。
それでも、ダメージはあります。
今まで、自由にカラーリングを楽しんできた方にとって、
もはや自毛の黒髪など、かえって違和感を覚えるほど、
軽やかな色合いの髪で過ごした年数のほうが長いと思われます。
しかし、ダメージがあります。
薄毛の心配がある方は、できれば、カラーリングはやめておきたいものですが、
長年の習慣を絶つ、というのは、なかなか勇気がいることです。
でも、現在、男女ともに俳優、あるいはアーティストたちが、
ごく自然な(あるいはカラーリングで)白髪のまま、メディアに登場しています。
俳優などの有名人が、ステキな白髪(グレイヘア)の参考モデルとして現れはじめたことで、
白髪染めをやめるハードルは以前よりは、ずっと低くなったと思います。
pinterestより
男性の場合は、自信のある態度、表情さえあれば、
「老けた」印象は「貫禄(かんろく)」へと昇華します。
問題は、女性のケースですね。
女性にとってカラーリングをやめるということは、
ノーメイクで外出するのと同様の気後れを感じる行為です。
普段から、ファッションやメイクにオン・オフの区別をしている人は、
特にそう感じるみたいですね
白髪という、ある意味、老化の象徴を人目にさらす行為は、
ノーメイクよりも勇気が必要かもしれません。
ですが、カラーリング、白髪染めから解放されて、
なおかつ美しさを増した女性の方々は数多く見られます。
それは、メディアにとり上げられる有名人などではなく、
同じように市井(しせい)で暮らす隣人の方々で、です。
「総白髪」という言葉から「グレイヘア」という横文字に変換し、
何となく華やいだイメージを持たせたのも、
受け入れやすくなった一因かもしれませんね。
そんな私たちの周囲にいる、美しきグレイヘア・マダムたちに焦点をあて、
これからグレイヘアへの移行を考える上での参考にしたいと思います。
🐇 白髪ってどうして白髪になるの?
まずは、どうして白髪ができるのか、というところから確認しておきましょう。
白髪というのは、男女ともに30代ぐらいから増え始めた、と感じるようですね。
早ければ20代ですでに10%程度の白髪が混じっている、という方もいらっしゃいます。
白髪になる原因は、メラノサイト(色素形成細胞)がなくなり、
髪に色をもたらすメラニンが作り出せなくなるからです。
では、なぜ色素形成細胞がなくなるのか、というと、
その要因としては、
- 「老化現象」
- 「遺伝的要因」
- 「過度のストレス・生活環境」
などが挙げられます。
老化現象や遺伝的なものは、なかなか抗いがたいものですが、
生活環境においてストレスを軽減する工夫をしたり、
偏食を見直したり、
十分な睡眠をとることなどで、改善を図ることは可能ですよね。
そのほかには、病気治療中の方で薬の副作用によって白髪になる場合や、
代謝機能障害によっても白髪(脱毛することも)になります。
多くの方は、加齢による老化現象で、
30代ぐらいから色素細胞の機能が低下していき、
少しずつ、その数も減少していきます。
それにつれて、徐々に白髪の本数も増えていく、というわけですね。
🐇 白髪染めいつやめる?「グレイヘア」を考える時期
ひと昔、ふた昔前までは、「髪を染める=白髪染め」でしたが、
現在では、すでに10代からヘアカラーを使って、好みの色に髪を染めるのは当たり前のことですよね。
それによって、おしゃれの幅がぐーんと広がります。
そうやって、絶妙な色合わせでハイセンスなおしゃれを楽しんできた世代も、順調に歳を重ね、
ある時期に差し掛かると、
「髪の色」について、ふと、立ち止まり、考えるそうです。
それは、毎月のヘアカラーと、染まりにくい白髪との、果てのない攻防戦について、です。
白髪は、本当に染まりにくく、
半月もすると、色が褪せてキラリと光りはじめるのですから始末が悪い。
その上、年齢が上がってくるにつれ、次第に髪はやせて、全体的なボリュームもダウンします。
どういうことかと言うと、
髪が細く少なく(びまん性脱毛を発症)なってくると、
これまでのような濃い色味やブラウン系だと、
肌色の地肌がかえって目立つようになってくるのです。
これは男性であっても同様です。
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ただ、今はパーマ液もカラー剤も、年々開発が進み、
ダメージは以前にくらべてかなり抑えられています。
これは美容室でのお話です。
市販のカラーリング剤は、髪も地肌もとても傷めてしまいます。
ヘアカラーもオーガニック系の、できるだけ髪にやさしいものが商品化されてはいますが、
それでもまったくダメージがないわけではありません。
そのようなことを考えた時、「染めるのやめよっか」と思うのだそうです。
美容師からグレイヘアをおススメするケースもあるよ
一方、美容師(スタイリスト)の側から、
グレイヘアへの移行を提案をすることも、最近では増えてきているようです。
その理由としては、やはりヘアカラーは少なからずダメージがあるということです。
年齢が上がってくると、皮膚も弱くなってきます。
それまで何ともなかったものが、
皮膚が赤くなったり、刺激を感じたり、ということが起こり始めます。
そこで、
- ヘアカラーリング剤による頭皮のダメージが懸念されるケース。
- 白髪(グレイヘア)のほうが、かえって若々しく見えるケース。
こういった場合に、
「染めるの、やめてみませんか?」とアドバイスするそうです。
そして、最近は、女優の草笛光子さんのように、
グレイヘアの美しいモデルケースが多く目につくようになったため、
すんなりと受け入れられることが、多いそうです。
私の周辺でも、60代半ばの女性で、グレイヘアに移行するケースが割と目立ちます。
完全にグレイヘアになると、とても華やかで、ステキですよ
グレイヘアを挫折しがちな移行期への対処
染めるのをやめてから、完全にグレイヘアになるまでには、1年~2年ほどかかります。
最初は徐々に白髪が伸びてきて、
染めている部分との境がくっきりと目立ちます。
その後は、自毛のまだメラニンが生きている毛と白髪とが混ざり合う、
「まだらヘア(ごましお)」の状態が続きます。
この期間は、自分の目にも、一気に老けたような感覚を覚え、
やや憂うつになることもあるかもしれません。
友人・知人からは「どうしたの?」と心配され、
それにいちいち「うん、もう染めるのやめたの」と返答するのも、面倒くさく、
嫌気がさすかもしれません。
聞かないけど・・・。
でも、何かあったのかな、ってちょっと心配になります。
きちんとメイクして、明るい表情でいれば、そんな心配もされずに済みます。
そういう「過程」の期間は、美容院へ行くことである程度、憂うつさも軽減されます。
カットをこまめにして、お手入れしていることをアピールするのも大事よね。
「めざせグレイヘア!」移行期の対策
染めるのをやめると、まるで「手入れをしていない」ような状態を経験するため、
落ち込むこともしばしばですが、
美容院でプロに手入れをしてもらい、整えることで解決できます。
・メッシュやウィービングでハイライトを入れ、白髪部分を目立たなくする
pinterest
白髪は色がきれいに入るので、アッシュ系にすると、
白人の髪のように立体感のある陰影を演出できます
白髪が増えてくるまで、ハイライトの分量などを調整しながら、おしゃれに過程を楽しむこともできます。
・ブリーチで以前の染めた色を落とし、白髪となじませる
濃い色に染めたものは完全な脱色はできませんが、
それでも新しく生えてくる白髪と違和感なくなじませることができます。
酸化染料は配合されていないので、染料で皮膚がかぶれることはありません。
ただ、ブリーチ後の髪の手入れは念入りに行う必要があります。
美容室から帰るときには完全に真っ白なので、
見慣れるまで、自分自身にしばらく違和感があるかも。
でも、とってもきれいですよ。
髪が丈夫な方限定の、楽しみ方です。
・ヘアマニキュアやヘアトリートメントなどを使って染める。
マニキュアやヘナなど、使用中止で色が次第に落ちてしまうものを使って、
完全にグレイヘアになるまで染めることで、手入れを行う。
こちらがおススメの方法です。
このタイプのものなら、髪や頭皮へのダメージも心配なく、
ある程度の長さになれば、白髪染めしていた部分をカットします。
その後、使用を中止すれば、色が落ち、グレイヘアにストレスなく移行できます。
・髪をショートにする
pinterestより
ショートやベリーショートにすることで、イメージチェンジを大きくアピールできるので、
お友達からのマイナスイメージな「どうしたの?」という、
うるさい質問をはねのけるインパクトがあります。
そして、ショートにすると、とても表情が明るく見え、
活動的で若々しく感じられる、というメリットがあります。
特にベリーショートがおすすめです。
もう一つの対策法としては、
・日中の外出時には帽子やターバンをかぶる
ファッションによっては、スカーフを巻いたり、バンダナを巻く方法もありますね。
グレイヘアになりきるまでに落ち込む原因は、「人の目」ですから、隠せばいいのです。
帽子の場合は、室内でかぶっていても構わないタイプの物を選んで着用してください。
ただ、ディナーでは帽子は脱いでくださいね。
男性は室内での帽子はダメよ~。
このように、完全にグレイヘアになるまでの期間は、自分でも対策がとれますし、
美容院へ行けば、プロのスタイリストがいろんな技術を用いて、美しく仕上げてくれますよ。
🐇 グレイヘアになったら、まずワードローブを再チェック
美しいグレイヘアになると、ちょっと困ったことが起こります。
それは、今まで着ていたお洋服やメイクの色合いが、
どこかしっくりこなくなる、ということです。
これは、髪色がかつてなく明るくなったために起こる、ミスマッチ。
グレイヘアを完成させたなら、
一度ワードローブとメイクアップのカラーパレットの見直しをいたしましょう。
男性は女性ほどではありませんが、
ごま塩から完全にグレイになった際には、
ネクタイの色とシャツ、スーツの組み合わせ、
配色のバランスなどを、調整しなおすといいでしょう。
一番目につく髪の色が一気に明るくなると、
色のバランスを考えなおす必要が出てくるわけですが、
それを面倒と考えず、楽しんでください。
黒髪だと、どうにも重苦しかったスタイルも、
グレイヘアだと、なぜかとてもスタイリッシュで、かつ上品な佇まいに。
pinterestより
今まで手を出さなかった、淡いかわいい色合いも、
さわやかなカラーも、
信じられないくらい、似合っちゃいます。
リップカラーも、発色のいい愛らし系のピンクなど、
グレイヘアによく映えますよ。
グレイヘアを美しく保つためのケア
白髪は黒髪にくらべて乾燥しやすいので、
上質のオイルなどでケアをし、ツヤを出すことが
グレイヘアを美しく見せるためのコツです。
また、メラニン色素が抜けているために紫外線を通しやすく、
頭皮へのダメージを受けやすいというデメリットがありますので、
外出時には日傘や帽子をかぶる習慣をつけるようにいたしましょう。
もう一つ。
少し前にもチラッと言いましたが---、
グレイヘアにしたのなら、
女性はきちんとメイクをすることを、心がけてください。
年齢を重ねると、どうしても顔色はくすみ、シミも目立つようになります。
グレイヘアでノーメイクだと、とたんに老け込んだ印象を他人に与えてしまいます。
それこそ「・・・どうしたの? 何かあった・・・?」と心配されます。
人に心配されない程度には、メイクをしておいてくださいね。
ただ、内面から人生の充実感がほとばしり、
楽し気な雰囲気をかもしだしているような方なら---、
あるいはノーメイクも、その人の個性であり、
独自の美しさの体現かもしれませんね。
とりあえず、老け込んだ印象を嫌い、普通に美しくあろうと思えば、
きちんとメイクアップをしておきましょう。
また、グレイヘアをさらに艶やかに演出するのなら、
美容師と相談して、プラチナブロンドにされるのも、
とてもゴージャスになりますよ。
これも、髪が丈夫な方限定です。
薄毛に悩んでいる方は、やめておきましょうね。
🐇 まとめっぽいの
ひと昔前までは、白髪というと、お年寄りのイメージが濃厚で、
おしゃれを気にする世代であれば、
白髪染めをやめるなんて発想はなかったですよね。
ところが、白髪という言葉が「グレイヘア」と言い換えられ、
美しき大女優たちが、その見本を示してくれた今、
女性のおしゃれの自由度はさらに広がりました。
草笛光子さんや佐伯チズさん、中尾ミエさん、
男性ならリチャード・ギアやジョージ・クルーニー、
イチロー選手や陣内孝則さん、
カーネル・サンダース氏、サンタ・クロースのおじい様など、
グレイヘアで魅力的な参考モデルは年々増えてまいります。
未来の「おしゃれ」の楽しみが増えたというものです。
ただ、それも髪の毛が豊かにあってこその、
ゴージャス・グレイヘア・ライフ、ですわよ。
―――なので、
40代からの薄毛対策は必須です。
草笛光子さん84歳。女性なら目標としたい大先輩のおひとりですよね。
『草笛光子のクローゼット』は、
アリ・セス・コーエンの『Advanced Style』と併せて書棚に置いておき、
ときどき取り出しては眺めて、自分の理想とする未来の姿を思い描けば―――
少しずつ、美しいマダムへと近づいていけるかな。
自分の未来が楽しみになる、そんな写真集です。