自毛植毛と人工毛植毛
どっちがいいか迷った時には?
こんにちは、髪ふさアドバイザーの吉宮です。
現在、日本国内で植毛しようとすると、自毛植毛と人工毛植毛の2つの選択肢があります。
植毛をしようと考えたとき、まず初めに迷うのが「どちらを選ぶべきか?」ということだと思います。
今回は、より自分に合った植毛を選ぶためにも、自毛植毛と人工毛植毛の特徴や値段などを比較してチェックしていきたいと思います。
自毛植毛と人工毛植毛、どちらを選ぶべきか悩んでいる方は、どうぞ参考にしてみてください。
自毛植毛とは?
自毛植毛とは、AGAの影響を受けにくい後頭部と側頭部の髪を、薄毛部位に移植する技法です。
厳密には、毛根をふくむ毛包組織をまるごと採取し、それを薄くなった部位へ植毛していきます。、その後も髪が半永久的に生え続けるものです。
一度、植毛した髪は、AGAの影響を受けません。
いったん根付く(生着する)と、その後は健全なヘアサイクルで半永久的に髪が生え続けます。
特別な手入れも不要で、高齢になると自然に白髪にもなっていきます。
自毛植毛は全世界で普及している薄毛解決法!?
自毛植毛の歴史は長く、(臨床試験のようなことはされていませんが)その有用性は広く認知されています。
植毛に関する資料によると、2015年度には全世界で39万人強の人が自毛植毛施術を受けたとの報告があります。
【植毛施術を受けた人数】(2015年度)
- 約39万人
【男女比】
- 男性 84.7%
- 女性 15.3%
やはり圧倒的に男性が多いですね。
植毛というと、通常はこの自毛植毛のことを指します。
日本で主流の植毛方法とは?
自毛植毛には大別して2種類の方法があります。
- 切らない植毛方法(FUT法)
- メスで切る植毛方法(FUE法)
そして現在、
日本で主流とされる自毛植毛法は、メスを使わないFUE法です。
これは、傷あとが残りにくく、術後の治りも早いことから希望する人が多いということもあります。
ただ、広範囲の植毛には不向きというデメリットもあります。
そこで、切らないFUE法をメインとしつつ、広範囲への植毛にはメスを使うFUT法を併用する手法も用いられています。
FUT法の植毛では、グラフト採取にメスを使うため、後頭部に横一本線の傷あとが残ります。(FUT法についてはこちらの記事にまとめています)
帯状に皮ふを切り取った後、縫い合わせた傷あとです。
日本の熟練医師の手技にかかると、繊細な縫合技術で傷もほとんどわからなくなりますが、メスを使うために、どうしても「無傷」というわけにはいかないのがFUT法です。
【FUE法とFUT法の特徴の比較】
自毛植毛の種類 | FUE法 | FUT法 |
メス | 使わない | 使う |
抜糸 | なし | あり |
傷あと | なし | 残る |
ダウンタイム | なし | あり |
広範囲の植毛 | 不向き | 向いている |
植毛費用 | FUTより高価 | FUEより安価 |
人工毛植毛とは?
人工毛植毛とは、人工的に作られた毛髪を植毛していく技法です。
ウィッグに使われるような人工毛髪に、頭皮に埋め込むための器具などが付いていて、それを薄毛の部位に植え込んでいきます。
人工毛の材質や形状はメーカーによって違います。
人工毛植毛のメリットとしては、好きなだけ増毛できることと、長い人工毛を植えるので、施術直後から髪がふさふさ状態となることです。
人工毛植毛では、即効性の増毛効果を楽しめます。
人工毛植毛の特徴(メリットとデメリット)
「増毛」と比べられることの多い自毛植毛ですが、生えている髪の根本に人工毛を結びつける増毛施術と違い、人工毛植毛は直接、頭皮に人工毛を植え込んでいきます。
この人工毛の材質ですが、ポリエチレンやポリエステル、ナイロンなどでできています。
ポリエチレンというと、ペットボトルやプラ包装などの素材である「PE」や「PET(ポリエチレンテレフタレート)」のことですが、人工毛に加工されると、これが丈夫でしなやかな毛髪となります。
また人工毛にはカラーバリエーションもあって、好みの色を選んで植毛することができます。
さらに最初から長めの髪を植毛することができるため、見た目が整うのを待つ必要がありません。
このように植毛直後の見た目ダウンタイムが一切ないのも、人工毛植毛の特徴です。
【人工毛植毛のメリット】
- 施術後の帰宅時には髪が増えている
- 好きなだけ、髪の量を増やせる増毛効果がある
【人工毛植毛のデメリット】
- 炎症を防ぐための頭皮ケアが欠かせない
- 維持するための定期的な植毛メンテナンスが必要
このように、いいことばかりに思える人工毛植毛ですがデメリットもあるので、そのことをよく理解した上で施術してくださいね。
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では、費用面を見ていきましょう
自毛植毛と人工毛植毛の費用相場っていくら?
現在、日本で植毛したとして、どのくらいの費用がかかるのでしょうか?
自毛植毛と人工毛植毛それぞれの費用の相場を見ていきます。
植毛は全額自己負担で、健康保険は適用されません。
自由診療なので、植毛クリニックごとに施術費用は異なります。
それでも「だいたい、このくらい」という平均的な値段を参考にします。
自毛植毛のお値段|今どきの相場
ここでは、日本で人気のある、切らない植毛(FUE法)で施術した場合で見ていきます。
【M字型(おでこの両側が後退し始めている人)の植毛費用の目安】
薄毛状態 | 必要グラフト数 | 植毛費用 |
M字浅め | 400~700 | 50万~80万円 |
M字深め | 700~1000 | 80万~100万円 |
【O字型(頭頂部が薄毛になっている人)の植毛費用の目安】
薄毛状態 | 必要グラフト数 | 植毛費用 |
つむじ周辺 | 500~700 | 60万~80万円 |
頭頂部広め | 700~1000 | 80万~100万円 |
【M+O字型(おでこから頭頂部にかけての薄毛の人)の植毛費用の目安】
薄毛状態 | 必要グラフト | 植毛費用 |
深いMとO字型 | 1200~1800 | 130万~150万円 |
MとOの無毛型 | 2000~3000 | 180万円~250万円 |
このケースでFUE法のみ、というのは非現実なんですけどね
植毛は、薄毛範囲が広ければ広いほど、たくさんのグラフトが必要となり、それだけ費用もかかります。
AGAがかなり進行して、広範囲の植毛が必要な場合は、メスを使うFUT法を併用することが多くなります。
そうすることで、身体の負担を減らし、かつ費用を低く抑えることができます。
この辺りは、植毛クリニックの先生と相談して、一番よい方法を決めていきます。
費用については、こちらの記事も参考にしてください。
今回は、植毛費用について見てまいりたいと思います。 薄毛の根本的な治療方法として植毛を考えた時、真っ先に気になるのはそのお値段。 果たして、どのくらいかかるものなのでしょうか。 …
人工毛植毛のお値段|今どきの相場
人工毛植毛では、植え込む人工毛の本数で計算します。
基本治療費+(必要本数×単価)=植毛費用
人工毛植毛は、人工毛メーカーや植毛クリニックによって値段は異なります。
【M字型(おでこの両側が後退し始めている人)の人工毛植毛費用の目安】
薄毛状態 | 必要本数 | 植毛費用 |
M字浅め | 1000~1400本 | 26万~37万円 |
M字深め | 1500~2000本 | 39万~52万円 |
【O字型(頭頂部が薄毛になっている人)の人工毛植毛費用の目安】
薄毛状態 | 必要グラフト | 植毛費用 |
つむじ周辺 | 900~1200本 | 24万~32万円 |
頭頂部広め | 1000~4000本 | 26万~104万円 |
【M+O字型(おでこから頭頂部にかけて薄毛の人)の人工毛植毛費用の目安】
薄毛状態 | 必要グラフト | 植毛費用 |
深いMとO字型 | 3000~5000本 | 78万~130万円 |
MとOの無毛型 | 6000~7000本 | 156万円~182万円 |
自毛植毛と人工毛植毛では、どっちが安くてお得なの?
ここまで、自毛植毛と人工毛植毛の平均的な価格を見比べてきましたが、単純に値段だけを見ると、あきらかに人工毛植毛のほうが安上がりです。
M字型薄毛への植毛費用を比較してみます。
種類 | M字浅め | M字深め |
自毛植毛 | 50~80万円 | 80~100万円 |
人工毛植毛 | 26~37万円 | 39~52万円 |
このように、同じ範囲でも、植毛費用は人工毛植毛のほうが安価となります。
ここで、もう少し掘り下げてチェックしてみましょう。
人工毛植毛は本当に安価なのか?
植毛施術をした後、しばらくすると人工毛は日常生活の中で自然に抜け落ちていきます。
そのため、定期的に追加の植毛(メンテナンス)が必要となります。
このメンテナンスについては個人差はあるものの、年に1~2回、抜けた本数を補充していくスタイルがベストのようです。
つまり、人工毛植毛は見た目回復の即効性はあるものの、それを維持するためのランニングコストがかかるということです。
自毛植毛の値段は高額ってホント?
一方、自毛植毛は施術費は高額です。
ただし、植毛して定着した髪は、特別なケアなしで半永久的に生え替わり続けます。
抜けても、その後から若い髪が勝手に生えてくるというのが、自毛植毛の最大の魅力となっています。
- 1回の費用は安くても、数年おきにメンテナンスが必要な人工毛植毛
- 1回の費用は高額でも、その後は抜けても勝手に生えてくる自毛植毛
いろいろと比較検討した結果、多くの方が自毛植毛を選ぶのは、やはり、植毛した後のケアいらず、という部分が大きいと思います。
安価な自毛植毛についてはこちらの記事を参考にしてみてください。
植毛の魅力は、なんと言っても 植毛した髪は放っておいても生えかわる 白髪になるまで生えかわる 特別なケアも必要なし というところです。 ただ、植毛は自由診療なので、施術費用は高め …
まとめ
現在、日本国内で植毛を受けようとすると、自毛植毛と人工毛植毛の2つの選択肢があります。
どちらの植毛法にも、それぞれメリットとデメリットがあるので、その両方をしっかりと検討した上で、自分に合った植毛を選んでください。
特にデメリット部分に関しては、ある程度、自分でも調べてみて、不明な点については植毛クリニックの無料カウンセリングを活用して、きちんとした説明を受けるようにしましょう。
先生の説明を受けても、なお、不安が残ったり、説明に納得できなかった場合は、いったん帰宅して、ゆっくりと考える時間を持ったほうがいいかもしれませんね。
やみくもに植毛費用の安さだけで植毛クリニックを探していると、いざ植毛をしてみたところ「こんなはずじゃなかった」という結果になるかもしれません。
植毛の失敗は本当に、取り返しがつかないので、あせらずに、まず信頼できる先生とめぐり合ってくださいね。