こんにちは、髪ふさアドバイザーの吉宮です。
植毛のことが気になり始めて、良い植毛クリニックを探そうとしても、いったい何を基準に選べばいいのか、迷ってしまいますよね。
とっかかりとしては、植毛の「施術費用」であったり「口コミ」であったりと、人それぞれです。
ここでは、植毛の種類や施術方法を確認して、そこから自分にぴったりの植毛クリニックを選ぶことを提案したいと思います。
ぜひ参考にしてくださいね。
植毛の施術方法にはいろんな種類があった!?
植毛といっても、施術のやり方にはいろいろな種類や方法があります。
自毛植毛は人工毛植毛と違って、現在の毛髪総本数が増えるわけではありません。
ある程度、毛髪密度が高く、将来AGAにならない毛髪(毛包組織)を採取して、移動させる技術です。
増毛効果はありませんが、いったん定着した髪は、その後お手入れする必要はありません。
この、「密度が高く」「AGAの影響を受けない」という条件がそろっているのが、後頭部の髪です。
後頭部から丈夫な髪を採取する方法にいくつかの種類があるわけです。
この方法によって、値段も違うし、痛みや傷跡、定着率など、それぞれにメリット・デメリットがあります。
植毛って全部が同じじゃないのね~。
自毛植毛の施術では、まず移植するための髪を採取するところから始めなければなりません。
そして、この採取方法こそが、クリニック選びの第一の手がかりです。
- FUSS(FUT)法
- FUE法
- ARTAS(FUE)植毛法
日本では現在、主にこの3種類の方法のどれか、もしくは組み合わせで植毛施術が行われています。
もう一種類、Choi式(ニードル法)がありますが、これ単体で用いられることは、あまりありません。
では、これらの採取方法の特徴を一つひとつ見てまいりましょう。
植毛でFUSS(FUT)法を選んだ場合のメリット・デメリット
FUSS法というのは、メスを使って髪の毛付きの頭皮を、帯状にはぎ取る方法です。
FUSS法(Follicular Unit Strip Surgery)
世界でもっとも採用されている移植毛採取技術です。
「FUT法」のほか「ストリップ法」とも呼ばれます。
まず、後頭部などのグラフト(移植毛)を採取する範囲の髪を、2~3ミリ程度の短さに刈り上げます。
これは、移植毛を採取しやすくするために必要な処理です。
髪が長いままだと、じゃまになって仕方ないもんね。
刈り上げ処理をした部分の頭皮を、メスで帯状にはぎ取ることで、グラフト採取します。
頭皮を切り取った(採取した)後は、上下の皮を縫い合わせ、傷口を閉じます。
このFUSS法は、ダウンタイムがありますが、一度で大量のグラフト採取が可能なため、広範囲の植毛もしくは高密度に移植を行いたい場合に向いた方法です。
FUSS法のメリット・デメリットとは?
(メリット)
- 一度に大量のグラフト採取ができる
- 皮膚ごと採取なので毛根の切断率が低い
- 費用が抑えられる
(デメリット)
- 抜糸が必要
- 術後の施術痕が残る
- ダウンタイムが長い(痛み、腫れ等の治りが遅い)
- 施術にともなう拘束時間が長い
- 皮膚ごとの採取なので、移植毛の質にばらつきがある
植毛施術でFUE法を選んだ場合のメリット・デメリット
FUE法というのは、メスを使わないので、傷の治りも早く、傷あともほとんど残らない方法ですが、広範囲の植毛には不向きな面があります。
FUE法(Follicular Unit Extraction)
FUE法では、パンチという細いストロー状の針で、毛根(毛包組織ごと)くり抜くことで、移植毛を採取します。
ここでくり抜くのは毛包という、毛穴から毛根まで髪の工場まるごとのことです。
メスを使わないので、傷口の治りも早く、術後の傷あとも目立たない、という画期的な採取方法です。
ただ、頭皮の内側にある毛根は見えないので、それを傷つけずに採取するには、先生自身の相当な経験と高度な技術が求められます。
※ 採取時に毛根が傷つくことを「ドナーロス」といい、うっかり切断などしてしまうと、移植毛としては使えなくなります。
FUE法の場合、採取した移植毛の約20%がドナーロスとなる可能性があると言われています。
FUE法では通常、直径1.0~1.2ミリのパンチ(ストロー状の細い刃)を使って移植毛の採取を行いますが、現在では、傷あとを残さず、治りも早く、ということで、可能な限り細いパンチ(~0.5mm)を使用する傾向にあります。
ただ、やはり細くなればなるほど、移植毛の採取は難しく、経験値と技術力が必要となります。
現在、日本の植毛施術の主流は、このFUE法ですが、ドナーロスの割合をひたすら小さくして、生着率を上げていくことに、それぞれの施術院は創意工夫をこらしています。
ドナーロスについては、こちらの記事にまとめています。
FUE法が人気な理由、その3つのポイントとは?
FUE法はグラフト採取一つひとつが先生の手作業によって行われるため、その技術の練度しだいで、患者の受けるデメリットを極限まで低減する可能性を持ちます。
【傷跡が残らない】
FUE法では、極細の針で毛根をくり抜くので、施術後の傷の痛みはほとんどなく、施術中の出血もあまりありません。
傷跡といっても、注射針で刺した痕が、頭皮に無数についていると考えると、イメージしやすいと思います。
小さな傷跡には、数日後に小さなカサブタができますが、それが目立つようなことはなく、カサブタが自然に取れた後は、ほんのり周囲よりも肌色が薄い程度の違いです。
これらは、パンチのサイズが小さくなるほど、目立ちません。
【見た目ダウンタイムなしが可能】
FUE法ではオプションですが、まったく髪を刈り上げることなくグラフトを採取する方法があります。
通常の方法であれば、グラフト採取のために後頭部の一部分を短く髪を刈り上げなくてはなりません。
そのために、施術後の見た目のダウンタイムが生じますが、FUE法の「刈り上げない方法」の場合、そういった髪が生えそろうまでの見た目ダウンタイムの心配は不要です。
植毛直後から、だれにも植毛をしたことを気づかれず、日常生活に戻れます。
女性やサービス業などに従事している方におすすめの方法です。
【ダウンタイムを最小限に抑えて広範囲の植毛も可能】
FUE法のデメリットとして広範囲の植毛が難しいという点が挙げられますが、FUSS(FUT)法とFUE法の併用により、対処することができます。
種類の違う採取方法を組み合わせることで、(患者の毛量などによっても違いはありますが)一回の施術で、最大で4000グラフト(毛髪約1万本)ほどの移植も可能となります。
刈り上げ部分も範囲も、限りなく目立たなくすることができるため、あまり他人の目を気にすることなく、生活できます。
広範囲の移植でも、FUE法を組み合わせることで、見た目のダウンタイムを最小に抑えることができるメリットがあります。
でも、広範囲の場合は一気にしてしまうより、数回に分けたほうが体への負担も少ないと思います。
では、そのほかのメリットやデメリットも確認しておきましょう。
FUE法のメリット・デメリットとは?
FUE法で植毛をした時の、メリット・デメリットをまとめてみました。
(メリット)
- メスを使わない(抜糸なし)
- 頭皮を切らないので、傷痕が目立たない
- 髪を刈り上げずに移植毛の採取が可能
- ダウンタイムが短い(治癒が早い)
- 痛みが少ない
- 植毛直後でも他人にバレない
(デメリット)
- 広範囲の植毛をするだけのグラフト採取が困難
- 採取時の毛根切断率が高い(ドナーロス。採取した移植毛の傷つく割合は約20%)
- 採取時・移植時ともに先生の高い技術力を要する
- 手数と時間がかかるため、費用が高額となる
植毛でARTAS(アルタス)を選んだ場合のメリット・デメリット
「ARTAS」とは、AI搭載のグラフト採取を行うための植毛ロボットです。
植毛施術自体は、FUE法です。
FUE法で行うグラフト採取を、専用ロボットが代わりに行うというものですが、人の手によるFUE法と違い、先生の技術力に左右されず、グラフト採取の成績も良好です。
コンピューター制御ですが、安全性や定着率も安定しているため、今では、多くの植毛クリニックが導入しています。
(ただし、採取した移植毛の頭皮への植え込みは先生が行います)
つまり、FUE法のデメリットである「熟練の技術者でなければ難しい」という部分を補うのが、この植毛ロボットARTASということですね。
このARTASには、4つのCCDカメラ(光に対して非常に感度が良いカメラ)が備え付けられており、グラフト採取時には、1秒間に50回もの撮影を繰り返します。
それによって、髪の生える角度や、向き、密度や本数などを正確に把握し、移植毛を採取する部分が自然な仕上がりになるように、最適な間隔でドナー採取を行います。
また、良質なグラフトが採取できるので、必然的に生着率(定着率)も高くなります。
というのが、アルタス植毛なんですね。
ARTAS植毛法のメリット・デメリットとは?
ARTAS植毛
(メリット)
- メスを使わない(抜糸なし)
- 毛根が傷つく(ドナーロス)確率が低い
- FUSS法に比べて治癒が早く、傷痕も目立たない
- 先生の技術やセンスに左右されない
- 治療費が少し安い
(デメリット)
- 刈り上げをする必要がある
- ロボットに備え付けられた採取針(パンチ)の径が、現在のFUEで使用されるパンチに比べてやや大きい(パンチが細いほうが、傷痕は目立たない)
- 移植毛の採取はロボットだが、その後の作業は先生と助手が行うので、やはり高度な技術を有した熟練者が望まれる
高度な技術を必要とするFUE法を、熟練度に関係なく容易に安定して行えるようにしたものがARTASですので、特筆すべきデメリットというものは、見当たりませんね。
パンチの径については、機械の規格に合ったものを使うので、オール手技によるFUE法のように「技法や径の違うパンチを自由に使い分ける」ということには、制限があります。
ただ、そういった点も、今後、改善改良されていくことでしょう。
(2018年時点でバージョンアップされた主な点)
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唯一、気になるのは、「移植毛を採取した後の作業は手作業による」という部分ですね。
ARTASによって生着率の高い良質の移植毛が採取できるなら、その後の作業も、経験豊富で高い技術力を有する先生にお願いしたいものです。
そのためにも、信頼のおける施術院で植毛してください。
移植した髪は一生もの、ですからね。
主流ではありませんが、Choi式についても、少しだけ説明しておきます。
Choi式(ニードル法)
1992年に韓国で開発された植毛法で、開発者の名前をとって「Choi式」と呼ばれています。
細い針を用いて、穴あけと植毛とを同時に行う方法で、生え際などの産毛や、細い毛の移植に向いています。
特に女性の生え際は繊細なので、このChoi式ですると自然に見えるそうですよ。
Choi式は、密度の高い移植には不向きで、繊細な部分への植毛に用いられる技法です。
植毛に関するネット上の口コミは参考になる?
植毛クリニックを探すとき、ほとんどの方が行うのは、ネットの口コミ検索です。
ただ、ネット上の口コミを見ても「満足している。受けてよかった」という人もあれば、同じクリニックに対して、クレームをたたき付けるような書き込みもあり、どちらが本当なのか、かえって混乱してしまいます。
そして、口コミをたどればたどるほど、両極端な内容にぶつかります。
いったい、何が本当なのでしょうか。
今はだれもがスマホを持ち、SNS慣れしているので、書き込まれた内容をそのまま信じる人ばかりではないとは思いますが、それでも人の評価というのは、その後の意思決定に影響を及ぼします。
私がコンタクトを取れた植毛経験者の方々は、幸いなことに失敗した方というのはいませんでした。
皆さん、それなりに満足して、「植毛をして、楽になった」「良かった」とおっしゃっています。
そして、そういう方たちというのは、あまりネットへの書き込みなどはしていない様子です。
どちらかというと、すでに悩みが解消して、薄毛の話題に興味をなくしている、という感じです。
なので、ネット上の口コミは、あくまでも参考程度にしておくといいんじゃないかと思います。
それを頭の片隅の置きながら、まずは、自分にぴったりの植毛方法を選ぶところから、始めることをおすすめします。
まとめ
一言で植毛といっても、種類や方法はいくつもあります。
植毛に成功するための第一歩として、どのような植毛方法があるのかを、知っておくことも大事です。
自分に合った方法、もしくは自分が望む植毛方法はどれだと思いますか?
まずは、どのような施術方法があるのかをチェックして、それが行える植毛クリニックを探していくと、やがて何の不安もなく信頼できる先生にめぐりあえると思います。
技術力のある先生にめぐりあうことこそが、植毛成功の最大のヒケツでもあります。
今はどこの植毛クリニックのHPにも、無料のメール相談のコーナーがあったりするので、ちょっとした質問などは、そういったサービスを遠慮なく利用するといいと思います。
明るい未来のために、良い植毛クリニックを見つけてくださいね。