こんにちは、髪ふさアドバイザーの吉宮です。
植毛する際に、オプションメニューを加えるべきか・・・悩みますよね。
植毛のオプションメニューというのは、毛根(グラフト)がしっかり根付いて成長するための手助けをする役割なんですが・・・本当に必要かどうか、わかりにくいです。
そこで今回は、自毛植毛のオプション治療について、どういう内容で、どのような目的で使われるのかを調べてみました。
これから植毛を検討している方は、ごいっしょにどうぞ。
自毛植毛のオプション治療とは?
植毛クリニックによっては、必要な治療メニューはパックにしているところと、細かにオプションを提示して選べるようにしているクリニックとがあります。
勇気を出して行った先の植毛クリニックで、がっちり説明を受けたあとオプションメニューを示され、経済的事情も相まって心が揺れ動きます。
理想は、オプションメニューの特徴をおおまかにでも頭に入れておくことです。
すると、提示されたオプションメニューの効果の確認や、自分の薄毛状態の頭皮に、どの程度の効果が見込めるのかなど、先生の質問も可能ですし、納得した上で決断しやすくなります。
ただ、初めて植毛するという場合、オプション治療を加えたことで、どれだけ効果的だったかは、あまり実感できないと思います。
オプション治療は、植毛の完成度をより高める補助的なものと考えておくといいですね。
植毛効果を高めるオプション治療の種類と特徴
では、植毛のオプションメニューにどのような効果があるのか、いくつか代表的なものをいくつかチェックしていきましょう。
ハイポサーマソル
ハイポサーマソルというのは、採取したばかりの移植毛を劣化させないための組織培養液のことです。
採取した移植毛(毛根)は、血管から切り離されるために、無酸素・無栄養状態となり、時間が経てばたつほど細胞がダメージを蓄積していきます。
(劣化の要因)
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劣化した毛根は、植え込んでも生着できずに、やがてパラリと抜け落ちてしまいます。
これをドナーロスと言い、同じ毛穴から髪が再生することはありません。
ドナーロスを防止するための保存液が「ハイポサーマソル」です。
浸透圧やPHなどが体内環境に似せてあるので、時間経過による細胞ダメージを最小限に抑えることが可能となります。
通常、使用する生理食塩水でも90%の発毛率ということですが、ハイポサーマソルで保護することで、より細胞ダメージが減り、生着率がアップする、ということです。
植毛という長時間の手術の間、血管から切り離された毛根組織を保護するには、ハイポサーマソルのほうが、より適しているかもしれません。
この「ハイポサーマソル」はクリニックによってオプションの場合と、標準設定にしている場合とがあります。
ほかにも濃縮した血小板を使用しているところもありますよ。
【ハイポサーマソル費用】
7~9万円
CRF脂肪注入
CRF(コンデンス・リッチ・ファット)脂肪注入は、お腹などのブヨッとしている、いらない部分の脂肪を吸引して、不純物を取り去り、さらに濃縮脂肪細胞(CRF)を抽出したものを顔や頭皮に注入する施術です。
脂肪の採取は、脂肪注入施術の種類によって「吸引」するものから、おへその脇などからほんのわずかな量を採取するものまで、さまざまです。
ここでは、CRF脂肪注入をピックアップしています。
濃縮された幹細胞が、コラーゲンの増加や血管の新生をうながすので、組織再生につながります。
CRFは、これまでの「脂肪注入」と違って、しこりになりにくいことから、皮ふの薄い顔などのなめらかな部分への治療も可能となっています。
植毛のオプションとしての効果は、頭皮内に脂肪注入することで、頭皮組織の活性化で、植え込んだ移植毛の生着率がアップする、というものです。
この施術は、植毛手術日の数週間前にしておくと効果的です。
同種の治療法として「自家脂肪幹細胞注入」「ケラステム毛髪再生治療」などがあります。
【CRF脂肪注入の治療費用】
30万~100万円
※薄毛の範囲による
ボトックス注射
ボトックス注射はシワ取り治療として定評がありますね。
表情筋が緊張するとできてしまう目じりや眉間などのシワですが、定着してしまった表情ジワは、筋肉の緊張をわずかにほどくことで解決し、若々しいピンとはった美肌がよみがえります。
このボトックス注射は、頭皮に注入することで血流が促進され、薄毛改善にも役立ちます。
植毛のオプションとしては、手術の1週間ぐらい前に行うことで、頭皮が柔らかさを取り戻し、移植手術が順調にはかどります。
頭皮環境が改善されているので、移植毛の生着率アップ効果が期待できる、というものです。
【ボトックス注射の治療費用】
4万円~/1本
※薬剤の種類、注入範囲によります
自家幹細胞懸濁液(けんだくえき)注入治療
これは、火傷の傷あとの治療に使用される方法だそうです。
皮ふの真皮部分(細胞外マトリックス=ECM)といっしょに線維芽細胞や脂肪由来幹細胞などを粉砕して、薄毛の頭皮部分へと注入する治療法です。
懸濁(けんだく)液というのは、粉砕した細胞が均質に混ざり合っている液体のことです。
これによって、たとえば瘢痕化した皮ふにおいても組織再生がうながされる、というものです。
植毛のオプションとしては、活性化した成長因子の作用で生着率を助け、発毛促進と、ヘアーサイクルの正常化をうながします。
同種の治療法に「ダブルマトリックス」などがあります。
【自家幹細胞懸濁液注入の治療費用】
約20万円~30万円
だいたい、以上が主なオプションです。
これ以外にも「PRP療法」というものもあります。
これも自分の血液を採取し、遠心分離機にかけて濃縮したもの(多血小板血漿)を使用します。
細胞から分泌されるサイトカインや成長因子が豊富にふくまれているので、これらが有効成分として作用します。
まとめ
今回は、植毛施術のオプションメニューの中から、主なものをピックアップしてみましたが、参考になりましたでしょうか。
クリニックによってオプション名が異なることもありますが、内容は同じようなものです。
植毛施術のオプションメニューは、ハイポサーマソルのように、採取した移植毛の保存のためや、植毛の生着を良くしたり、術後の傷の治りを高めたりする目的で使用されます。
植毛クリニックで説明を受けている時に、その内容がわからないなら「それ、どういうものですか?」と、恥ずかしがらずに聞いてみましょう。
必ず、わかりやすい言葉で、ていねいな説明をしてもらえると思うので、それを聞いた上で自分に必要かどうかを判断するといいと思います。
わからないことは、どんどん質問しましょう。
植毛のオプションメニューが必要かどうかは年齢や薄毛の状態によっても違ってくるので、カウンセリングで先生とよくよく相談して決めてください。
納得して決めたことなら、後悔せずにすむと思います。
カウンセリングに行く前に、ほんの少し勉強しておくだけで、植毛の先生やカウンセラーの言っている内容がとっても理解しやすくなりますよ。