きちみや

こんにちは、髪ふさアドバイザーの吉宮です。

 

 

女性には植毛は有効ではない、というのは本当なのでしょうか。

 

 

治療リサーチをしている間、「女の人は植毛だめなんだって」ということをチラホラ耳にしました。

 

 

そんな言葉が聞こえてくると、ちょっと不安になりますよね。

 

 

そこで、今回は、何がどう「ダメ」なのか、知っておきたいと思います。

 

 

そういう訳で、こちらでは、女性と植毛の相性というものをさぐってみます。


 

女性に向いていない、と言われる植毛のワケ

 






実はこれ、まったく根拠のない噂などではなく、真実も含んでいるんです。

 

 

日本皮膚科学会が薄毛治療に関してリサーチを行い、

 

 

それぞれの治療法にA~Dの「推奨度」というものを付けています。

 

 

ようするに、「おすすめレベル」ですね。

 

 

その日皮会(日本皮膚科学会)が付けた、女性に対する植毛の推奨度は

 

 

「C1=行ってもよい」という、

 

 

なんとも中途半端な感じです。

 

 

男性への推奨度「B=行うよう勧める」に比べると、ずいぶんと控えめですよね。

 

 

そこに、今回の「女性には植毛って向かないらしいよね」という噂の真相が隠されています。

 

 

マキ

だれも隠していないんだけどね~。

 

 

女性に植毛が向かないワケは女性の薄毛の特徴にあった?

 

 

女性が薄毛問題に直面したとき、その多くが

 

 

「びまん性脱毛症」です。

 

 

ここで言うびまん性脱毛症には、女性型脱毛症(FAGA)や慢性休止期毛脱毛症なども含みます。

 

 

びまん性脱毛症の場合、頭全体が脱毛範囲となり、

 

 

頭頂部を中心として、まんべんなく脱毛していく、という特徴があります。

 

 

一方、男性型脱毛症では、

 

 

脱毛する部分とそうでない部分とがはっきりと分かれています。

 

 

つまり、ハゲ方のパターンがある、ということです。








つまり、男性型脱毛症では、

 

 

脱毛しない部分から採取した髪(毛根)を、ハゲた部分に移植すれば、

 

 

その後も男性ホルモンの影響を受けることなく、生え続けるようになります。

 

 

植毛しても、薄毛は治らない!?

 








男性の場合、植毛した部分に関しては、ヘアーサイクルが正常化し、

 

 

後頭部の髪同様、ホルモンの影響を受けなくなります。

 

 

つまり、髪は抜けてもまた生えてきます、永遠に。

 

 

ところが女性の場合は、

 

 

頭部全体が脱毛範囲なので、「脱毛しない部分」というのがありません。

 

 

高齢の女性で薄毛が進行してしまって、

 

 

後頭部の地肌までもがあらわになっている方を、時折お見かけします。

 

 

つまり、移植した後も、(ホルモンの影響による)脱毛を防止するため、

 

 

医薬品によるアフターフォローが必要となります。

 

 

植毛後の薄毛ケアの男女の違い

 

 

植毛施術を終えた後にも薄毛治療薬が必要なのは、女性ばかりではありません。

 

 

もちろん男性の場合でも、

 

 

植毛していない部分に関してはAGAは進行していくので、お薬の服用は必要なのですが、

 

 

男性の場合は、とても有効なAGA治療薬があります。

 

 

ですが、女性の場合は、ミノキシジルと育毛サプリメントぐらいしかありません。

 

 

女性は、男性に有効なAGA治療の内服薬を飲むことはできません。

 

 

それ以外となると、毛髪再生治療(発毛メソセラピー)がありますが、

 

 

それでは、何のために植毛施術をしたのか、よくわからなくなります。

 

移植しても薄毛の脅威から逃れられないのなら、

 

 

最初から毛髪再生治療を行った方がいい、ということになってしまいますよね。

 

 

このように、女性に多いびまん性脱毛症の場合は、

 

 

せっかく移植した髪も、いずれ脱毛する可能性があるため、

 

 

男性のようにハゲない部分から採った髪を、ハゲたところへ移植し、

 

 

「はい、治療完了」というわけにはいかないのですね。

 

 

だから、日皮会も歯切れの悪い言い方になってしまうのかもしれません。

 

 

女性の薄毛治療|女性にとって有効な植毛ってあるの?

 

 

ここまで、女性の薄毛治療として、

 

 

植毛はそれほど有効とは言えない、というような流れとなっていますが、

 

 

だからと言って、

 

 

植毛は女性には向かない、ダメ、というわけでは決してありません。

 

 

マキ

はあ? すっかりダメだと思ったわよ?

 

ここで付け加えておきたいのは、

 

 

それでも植毛は「最後の砦」となり得る、大変有効な治療法だということです。

 

 

よし子ちゃん

え、でもそれは男性にとっては、なんですよね?

 

女性にとっても同じです。

 

 

例えば、こういうケースです。

 

 

感染や手術痕、ケガの傷あとなどで、

 

 

毛根が死滅してしまった瘢痕性(はんこんせい)脱毛には、

 

 

男女の区別なく、植毛のみが有効です。

 

 

また女性であれば、

 

 

「フェイスリフト施術の傷あと」と言えば、身近に感じられるでしょうか。

 

 

男性にとっては、大したことのない小さな傷あとでも、

 

 

女性にとっては、時間が経つほどに気になる「悔しい傷あと」ですよね。

 

 

サチコ

現在のフェイスリフトは、クリニックの手法にもよりますが、

ほとんど傷あとがわからないように仕上げられます。

 

要するに、びまん性の場合は、

 

 

男性ほど劇的に有効ではないというだけで、

 

 

術後のアフターフォローをきちんと守れば、植毛の有効性を維持することはできます。

 

 

ですが、植毛をする前に、もっと適切な治療法がないか探してみるとよいでしょう。

 

 

植毛クリニックのドクターも、

 

 

女性の場合は診察の結果、他の治療法を試してみることをお勧めすることも多いのだそうです。

 

 

今は昔と違って、肌を傷つけずに毛髪を再生する治療法が編み出されています。

 

 

ダウンタイム無しで、薄毛のトラブルが解決するかもしれませんよ。

 

 





 

もし、あなたが女性で「びまん性脱毛症」であるならば、

 

 

クリニック選びの際には、

 

 

女性特有のリスクをきちんと説明してくれて、

 

 

より適切な治療法があるなら、そちらの提案をしてくれるような病院を選びましょう。

 

こうしたリスクというのは、かえって、クリニック選びの良い判断基準となるでしょう。

 

 

女性の薄毛対策「最新治療」の種類と費用、そして効果はあるのか?

 

日本皮膚科学会が勧める男女の薄毛治療とは?

 





日皮会ガイドラインには、それぞれの治療法に対する「推奨度」というものが記載されており、

 

 

以下のようにA~Dの5段階に分けて評価されています。

 

 

(5段階評価)

推奨度A  (行うよう強く勧める)

推奨度B  (行うよう勧める)

推奨度C1 (行ってもよい)

推奨度C2 (行わないほうがよい)

推奨度D  (行うべきではない)

 

 

このようなレベル分けをし、

 

 

男性型脱毛症(AGA)と女性型脱毛症(FAGA)に対する、治療の推奨度を提示しています。

 

 

ただ、この推奨度を決めるにあたって、日皮会のガイドライン策定委員会は、

 

 

「皮膚悪性腫瘍診療ガイドライン第2版」で採用された、

 

 

エビデンスレベル分類と推奨度の分類基準を参考にした、とのことです。

 

 

この推奨度に関しての「但し書(ただしがき)」もありますので、引用する形で載せておきます。

 

 

本文中の推奨度が、必ずしも上記の判断基準に一致しないものがあります。

 

その理由は、この分野では国際的にもエビデンスが不足している状況。

 

日本の歴史的な背景や特殊事情。

 

さらに診療ガイドラインの実用性も考慮して、

 

委員会のコンセンサスに基づき推奨度を決定した項目があるからです。

 

ということだそうです。

 

 

エビデンス不足ということは、

 

 

時間の経過、研究の進度によって、

 

 

評価が変わることもあり得る、ということですね。

 

 

では、参考までに投薬治療の各医薬品に対する推奨度も併記しておきますね。

 

 

(医薬品)

フィナステリド内服

A(男性型脱毛症)

D(女性型脱毛症)

 

デュタステリド内服

A(男性)、D(女性)

 

ミノキシジル 外用

A(男性・女性)

 

ミノキシジル 内服

D(男性・女性)

 

 

そして植毛に関しては、

 

 

自毛植毛術

B(男性)、C1(女性)

 

人工毛植毛

D(男性・女性)

 

ということです。

 

 

男女ともにA評価の医薬品があるので、

 

 

ガイドラインは、

 

 

「Aの治療をやって、それでもダメなら自毛植毛をやってみる価値は十分にある」

 

 

ということを言っているのですね。

 

 

 

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