こんにちは、髪ふさアドバイザーの吉宮です。
AGA薬でも、成長因子を使った発毛施術でも改善する見込みがない、すっかり進行してしまった薄毛・若ハゲでも、植毛であれば、薄毛の悩みを解消することは可能です。
さんざん悩んだ末に、勇気を出すための一言がほしくて、誰かに植毛する考えを打ち明けてみたところ、「ふーん、まあいいんじゃないの?」という、今ひとつ親身でない返事か、
「そんなことまでしなくても…」
「自然のままでいいんじゃないの?」
「みんな年とったら、そうなるんだし…」
「いっそ、ボーズにしてみたら?あんがい似合うと思うよ」
などという、
せっかくの決心がにぶりかねない反応が返ってくることもあるようです。
そもそも、薄毛は病気ではありません。
病気以外で、身体に負担をかけるようなことは、できればしないほうがいいんじゃないか、という心配が先立つからこその否定的な反応かもしれません。
そう考えると、家族や恋人に相談した場合に、「やめたほうがいい」という否定派が多くなるみたいですね。
まさしく「親身になって」考えてくれているのかもしれません。
もし失敗したら・・・。
それこそ、大変な姿になっちゃうもんね・・・。
うん、こっちはもう見慣れてるから、そのままでもいいじゃない、って思いますよ。
やはり、植毛をするかどうかは自分自身で決断しなければならないようです。
そして、植毛する際には、じっくりと情報を集め、治療方法などの下調べを十分にする必要があります。
その第一歩として、周囲の人を不安にさせないためにも、植毛の安全性はどの程度なのか、しっかりと確認しておきたいと思います。
植毛の安全性ってホントのところどう?大丈夫なの?
日本で受けることのできる植毛には、自毛植毛と人工毛植毛とがあります。
人工毛植毛は過去に感染症などの大きな問題があったために、アメリカのように今でも法律で禁止している国もありますが、日本では可能です。
感染症が問題となった時代から、技術の進歩もあって、あらゆる改良改善で安全性も高まったようですが、毎日のケアが必要なことに変わりはありません。
人体にとって異物を植え込むことになるので、やはり患者一人ひとりが行うケアがとても重要ですし、その方法次第で、トラブルの可能性は常にあります。
人工毛植毛については、こちらの記事をご覧くださいね。
一方、自分の髪を移植する自毛植毛についての安全性は、どうなっているのでしょうか。
拒絶反応は?
感染症の心配は?
安全というなら、その根拠は?
先生が必ず口にする言葉ですが、
医療において何事にも「絶対」はありません。
結果が施術者の技術だけでなく、患者の体質・状態などにも左右されることを思えば、「絶対、大丈夫」「絶対、安全」とは言えませんよね。
それでも、自毛植毛の安全性については過去のデータから、ある程度、見定めることは可能です。
ここからは、
自毛植毛のことは「植毛」としますね
植毛の成功率は?過去の臨床実績から探る安全性
植毛にはそれなりの歴史があり、膨大な臨床実績がすでに存在しています。
例えば、2015年度をとり上げてみても、
その年だけで、世界全体で39万7048件の植毛施術が報告されています。
そんなに多くの人が植毛をしたのね~。
これを男女の割合でいうと、
- 男性が全体の84.3%
- 女性が全体の15.3%
となっています。
こうして数字で見ると・・・男性が圧倒的多数ね。
また、マイケル・L・ビーナーという博士が、植毛施術に関する複数の報告を検討して、
「(自毛)植毛術は82.5%以上という高い生着率が得られる」
という結論に至ったことを、自身の著書の中ではっきりと書いています。
生着率というのは、薄毛部分に植え込んだ髪(毛根)が、そこにきちんと定着する割合のことです。
定着する、ということは植毛の成功を意味します。
つまり、82.5%ってのは成功率が高いってことですか?
今の日本の植毛界では90%オーバーの生着率らしいわよ。
このように植毛では、生着率の高さがそのまま患者の満足度につながるところでもあるので、どの先生も限りなく100%の生着率を目指しています。
もちろん、長い年月の中には成功例だけでなく、上手くいかなかったケースも当然あります。
そのたびに、さらなる研究と工夫によって技術改善や問題点の克服がなされてきました。
その結果が今に至る、です。
今では、高い技術を持った施術者が行う植毛は、その後の経過観察においても重篤な後遺症、感染症などの報告はありません。
移植毛の生着率も高いことから、
植毛は安全性の高い治療法と言われるようになりました。
植毛に拒絶反応は起こる!?
もう1点、気になるのが拒絶反応についてですが、植毛では自分の細胞(毛根)を移植するだけです。
つまり、体にとって自分の毛根(細胞)は異物ではないので、拒絶反応のリスクは、限りなくゼロに近いと言えます。
毛髪再生で幹細胞を使う施術がありますが、これも自分の細胞を採取して自分で使うので、拒絶反応などは起こりにくいとされています。
これを「自家細胞」と言いますよ。
また、高度な医療施設で行われる植毛では、感染症のリスクもほとんどありません。
その施術自体も、時間はかかりますが日帰りでできます。
また、施術直後の見た目に関しても、
最近は一部を刈り上げなくてもいい方法や、他人の目をごまかせる技法も出てきて、働く人の間でも、根本的な悩みの解決法として、植毛は再注目されています。
ただし、
経験豊富で高い技術を有するクリニックに限ります。
植毛やって後悔することはない?日本の皮膚科学会の評価では…
いくら植毛クリニックの先生や周囲の人間が「植毛は安全性が高いから、大丈夫」と言ったところで、今一つ不安が残りませんか?
それを専門としている人の意見には耳を傾けたいけれど、そういう人たちは自分の職を批判することもないだろうし信憑性に欠ける、というのが私の実感です。
先生、ごめんなさい。
決して信じてないわけじゃあ、ないんですよ。
もう少し確信をもちたくて、ネット検索で口コミを探してみても、良い評価もあれば、こき下ろすような書き込みもあったりして、何が真実かわからなくなったりもしますね。
どちらにせよ、ネット上の口コミは評価した人の顔が見えないので、良い口コミも悪い口コミも参考程度にしかなりません。
やはり、自分自身が納得し、安心して植毛を受けるためにも、もうちょっと何か・・・公正で信頼度の高い評価が欲しいな、と考えました。
そこで、植毛クリニックとは一定の距離をおいた皮膚科学会の評価というものがありますので、そちらを参考にしたいと思います。
そこに植毛について、安心材料となるものがあるでしょうか。
皮膚科学会の植毛に対する評価とは?
日本皮膚科学会が2017年に発表した『日本皮膚科学会ガイドライン』に、男女の薄毛治療に関して、それぞれの有効性をまとめたレポートがあります。
前回の2010年版『男性型脱毛症診療ガイドライン』の改訂版ですね。
その中で、薄毛治療法の一つとして、植毛に関する項目もあります。
皮膚科学会の結論としては、こうです。
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おお!皮膚科学会のお墨付きね!
「ただし」が付きます。
ただし男性に関しては、
『AGA治療薬で効果が十分でない場合、そして、ほかに治療方法がない状況において、植毛を勧める』
とあります。
女性の場合も、
『ほかに改善する手段がない場合は、植毛を行ってもよい』
となっています。
そして、植毛をする場合は、
『経験豊富で、高度な技術を持った医師に限る』
とあります。
そりゃあ・・・未熟者に施術されたら、取り返しがつかなくなるわよ。
失敗の報告もあるから、そう言ってるんですよ・・・。
良いクリニックを、真剣に選んでくださいね。
一方で、人工毛植毛については、
『男性型脱毛症・女性型脱毛症ともに人工毛植毛術を行うべきではない。』
とのことです。
(参考資料:日本皮膚科学会ガイドライン2017年度版)
人工毛植毛は体が異物排出するので、少しずつ抜けていき、5年ほどで植えなおす必要が出てきます。
何よりも、術後の毎日のケアが十分でないと感染症の心配があるので、当サイトでは、おすすめしていません。
あと、女性に関しての植毛のおススメ具合が今一つ、煮え切らない感じですよね。
男性AGAの「すすめる」に対して、女性FAGAへは「行ってもよい」となっています。
これには、男女それぞれの薄毛の特徴や、移植毛を採取する部位などが関係しています。
くわしくは、こちらの記事をご覧ください。
まとめ
ここまで、植毛の安全性について見てきましたが、いかがでしたでしょうか。
人工毛植毛にくらべて、世界的にも長年の診療実績がある植毛は、安全性が高い薄毛治療とされています。
さらに、近年の技術革新で、
傷あとの残らない手法や、術後のヘアスタイルに影響しない方法なども編み出され、女性など見た目を気にする方でも、植毛を受けやすくなってきました。
AI搭載の植毛ロボットなども登場しています。
ただ、皮膚科学会のレポートでも記されていたように、植毛施術は経験豊富で、高度な技術を持った先生にお願いしなければ、望み通りの結果には届きません。
経験豊富、というのは、それだけ施術件数が多いということです。
ぜひ、過去から現在にいたるまで、どれほどの経験を積んだ先生かを見定めて、そういう先生のいるクリニックを見つけてください。
経験豊富な先生による植毛ならば、安全性にも十分に配慮し、なおかつ生着率も限りなく高いカミワザを披露してくれると思います。
そのためにも、自分が納得いくまで、しっかりと情報収集してくださいね。